


……おぅ





爺よ、ご機嫌いかがか?





……いっそ清々しいわ。酒ごと燃えおってからに





お主らはどうなんじゃ、餓鬼共





飢えて死にそうだ。炎のせいで喉も乾く。熱い血潮が飲みたいものだ





腐っても鬼よなぁ。こんな状況下でもひたすら愚直に欲望を優先するか





鬼とは欲望のままに暴を振るう存在……そうではなかったかな?





……いいじゃろう。では、主らの望みは何じゃ?





それこそ、愚問よ!!





やれやれ。しょうもない糞餓鬼共じゃ





…………





待たれよ、本田殿。何処に行かれるおつもりか





私が参陣したのは生きる金を得るため、そして亡き弾正殿の恩を返すためです





ですが、これはもはや戦とは呼びません。久道殿の嗜好による虐殺でしかない。残念ながら秀政殿、私の武士としての心は落ちぶれてはおりませぬ





…………





今の其方には止める気力もないはず……失敬





…………





秀政殿……次弾装填しました





承知いたした。では撃ち方――――





なんだ? 山から進軍してきたのか?





……来られたか





鬼ぃぃぃやああああああああああ!!!





くああああ……っ!!





忠政殿!!





おぅおぅ、随分と涼しいのぅ





ご老鬼、なんのつもりかな? 仲間をこんなに連れて、特攻でもしに来られたか?





さぁて、最後の晩餐にありつこうと思ってな。なにせ久しく地獄に帰っておらぬ故、腹ごしらえしておかなくては。空腹で死ぬのはご免被るのでな





よくも儂等をここまで追い詰めてくれおった。褒美として、最期に鬼の気概を見せつけてやろうわ





秀政殿、大筒、発射します





よかろう。終いにしてやろう





させるか! 大筒を狙え!!





今だ!! やれ!!





た、弾が戻って来ま――――





こんな……ことが…………





秀政殿、大筒、大破しました。多くの鬼と兵が爆発に巻き込まれてしまい………





久道様はっ? ご無事か?





先程蘭殿を連れて何処かへと……





やれやれ、派手に吹き飛ばしてくれおって。避暑地が台無しじゃわい





増援を頼んだ覚えはないぞ、天狗共?





なん――――





よし、一丁あがり!!





人間共を許すな!! 一人残らず討ち取るのだ!!





さて、いい塩梅に地獄絵図じゃわ。そうでなくてはな





そこをどいてもらえぬか。儂は本陣を任されている身故、行かねばならぬ





残念じゃがのぅ人間、儂が素直に道を譲ると思うか?





ご老鬼こそ、儂が簡単に退くと思うのか?





まったく……殺すには惜しい男よ





名を聞いておこうか、人間





松尾家筆頭家臣、竹内秀政





轟、お山の大将よ







うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!


