【レスボス島　鉱山跡地】

　そこには片耳に包帯を巻いたゴリラのようなデカイ図体をした兵士がいた。

　ルシファーの身の丈程ある斧を振り回してバニシングは叫んだ。

　ルシファーは剣を抜いた。

　バニシングは自慢の斧を近くにあった岩にぶつけ粉々にする。

　ルシファーは一瞬でバニシングの懐まで飛んで斧を真っ二つに切り裂いた。

　あまりにも一瞬すぎて腰を抜かすバニシング。そこでようやく格の違いに気づいた。ルシファーは腰を抜かしているバニシングの横顔に剣を添える。

　ルシファーが鉱山に来たのは敵の司令官を仕留めるためだった。しかし、ここにいるのは雑魚一匹だけ。
昨日来たときにあった帝国軍の野営地は跡形もなくなくなっていた。

　すでに何かを運び出した形跡もあり、すでにここでの用件を済ましたのだろう。ならばこの鉱山はそれほど重要な拠点でもない。軍にとってここはもう用済みらしい。

　なら仕方がない。さっさと本隊を追うとしよう。
　ルシファーはバニシングの顔を掴んで尋問を始める。

　ルシファーは大男の残った片耳を容赦なく削ぎ落とした。

　必死に弁明するゴリラ野郎。
　どうやら嘘はついてないようだな。

　ルシファーは大男の首を跳ね飛ばした。
無駄な殺生を嫌うルシファーであったが、今のルシファーは冷酷な殺人鬼に代わっていた。

　ルシファーは鉱山から出ると、一羽のカラスがルシファーの元に飛んできた。それは先程イシスに託したカラスだった。ルシファーはカラスを腕に乗せた。

　カラスの口からイシスの言伝が話された。

　

　ルシファーはベルゼブブを呼び出すとすぐに跨がった。

　ベルゼブブは急上昇し空を飛んだ。ルシファーは深刻な表情を浮かべていた。


　
レイズの精神は不安定だ。何をするかわからない。
もしもビアンの仇討ちをしに行ったとしたら相手が悪すぎる。戦闘経験のない彼女には無謀だ。
　


ルシファーは急いで町に戻った。