次の日の朝。
次の日の朝。



はーい、始めるよぉ☆





おっしゃー、やるぜ!





勇者様、頑張ってくださいね





気合でござるよ!





あなた方は化け物ですか……





?


朝まで飲み明かし、1時間ほど仮眠したあと、叩き起こされた。
私は決して下戸ではないのだが、さすがに2日酔いである。
見ての通り、彼女たちはピンピンしている。



勇者様の鍛錬の前に、各々のステータスをこの水晶玉で計測しますね





レベル:74
攻撃力:999
防御力:999
すばやさ:211
魔法力:33





レベル:66
攻撃力:508
防御力:525
すばやさ:999
魔法力:287





レベル:99
攻撃力:257
防御力:375
すばやさ:801
魔法力:999





レベル:74
攻撃力:333
防御力:357
すばやさ:328
魔法力:842





ちなみに勇者様と、チャッピーさんは……





レベル:2
攻撃力:21
防御力:22
すばやさ:14
魔法力:10





レベル:2
攻撃力:22
防御力:14
すばやさ:26
魔法力:5





以上です





昨日あれだけ鍛錬したのに、何もしていないチャッピー殿と同レベルとは……





はははは


乾いた笑いしか出ない。



笑い事ではござらんよっ!





1に鍛錬! 2に鍛錬! 3・4も鍛錬! 5も鍛錬! でござる!!!





ま、頑張るこったな





はい!


そして、魔法士様が言う。



ちゅうもーく☆





ボクが昨日言ってた魔法のこと





勇者様とチャッピーさんが合体しまぁす♪





合体?





……





……





……


氷撃魔法が使われていないにも関わらず、場の空気がこれ以上ないほど冷え込む。



発情期は過ぎたんですけど……





でも、ご主人様がお望みなら~♪


さらに下がった……。



うふふ……やはり「ピー(放送禁止用語)」しておくべきでしたね





肉片すら残さず、ぶった斬るとするでござるか





「産めよ増やせよ」だな





えっとですね……


何が何だか分からない。



ちーがーう!





性的な意味でなくて、互いの肉体を分解・再構成して、パワーUPする魔法だよぉ☆





そうなんだー





そうでないと困るよ、チャッピー


何やら残念そうなチャッピー。
私は胸を撫で下ろした。



あらあら、私ったらとんでもない勘違いを……





せ、拙者は勘違いなどしてはござらんからな! ほ、本当でござるぞ!





魔法士のことだから、てっきり自分の欲望を投影したのかと思ったぜ!


魔法士様が音もなく竜戦士に詰め寄る。



竜戦士さんよぉ、オレはてめーと合体してもいいんだぜ? もちろん、性的な意味で☆





死んでもお断りだよ、バカヤロー


閑話休題。
魔法士様が開発した魔法とは「ユニゾン」。
つまり、私とチャッピーが合体するということ。
具体的には……



レベル:2
攻撃力:21
防御力:22
すばやさ:14
魔法力:10





レベル:2
攻撃力:22
防御力:14
すばやさ:26
魔法力:5


であるから、ステータスが合体することで、
レベル : 2× 2= 4
攻撃力 :21×22=462
防御力 :22×14=308
すばやさ:14×26=364
魔法力 :10× 5= 50
となる。
効果は絶大ではあるが、いくつか条件がある。



コネクト!


まずは、魔法士様が「コネクト」と唱えたあと、



ユニゾン!





ユニゾン!


そののち、私とチャッピーがお互いに見詰め合い、同時に「ユニゾン」と叫ぶことで魔法が発動する。
これは飼い主と飼い犬の信頼関係により、難なくクリアできた。
そして、他には……。
①同じレベルの者同士であること。
ゆえに、チャッピー以外のメンバーとはレベルがかけ離れすぎていて「ユニゾン」はできない。
②持続時間はレベルの二乗(秒)であること。
今の私とチャッピーはレベル2なので、最大4秒間だけ「ユニゾン」ができる。
③次の「ユニゾン」までのインターバルはレベルの二乗(分)であること。
今の私とチャッピーはレベル2なので、最低4分間は空けないと次の「ユニゾン」ができない。
④姿が変化するということ。
たとえば、こんな風に。



もう少し何とかならないでしょうか?





等身が下がった分、視点も下がって、思うように動けません





あたしは何だか昔に戻った感じで、ちょうどいいです





贅沢言わなーい!





ステータス値は劇的に上昇するんだから、あとはお互いにレベルUPして、慣れてー☆


確かに魔法士様の言う通りだ。



とにかく、経験を重ねるしかありませんね





ま、魔王城に向かいながら、モンスターを倒していきゃ、それなりになるだろ





うむ、これなら行けそうでござるな





では、さっそく召喚を……





だから、召喚はいいって!


色んな不安を抱えながらも、ついに旅立つこととなった……。
-次回を待てっ!-
