突然、視界が低くなった。
足元の土が崩れ、膝まで地面に埋まる。
地面はすぐに固まって、膝から下を固定した。



うわっ!?


突然、視界が低くなった。
足元の土が崩れ、膝まで地面に埋まる。
地面はすぐに固まって、膝から下を固定した。



抜け出せない・・・!





契約魔法ってさ、難易度高い魔法に使ってこそだと思うんだよね。そういうのって呪文が長いから、省略できれば強い。





あいつが灯光魔法で契約してたのは知ってる。でも日常ならわかるけど、今は私と殺し合いしてるでしょ?





契約内容変えろよ。





僕に言われても。





私も契約魔法師なんだ。右手のフィンガースナップで落とし穴。さて、左手は何でしょう?


おそらく攻撃魔法がくる。僕は剣を構えた。
弾き飛ばせる奴だといいけど・・・。



おかしいな、守り一辺倒? 私、君の間合いに入ってるはずだけど。





!!





答えはね、左手のフィンガースナップは防御。





この魔法陣が盾になるんだ。君が斬りかかってきたら、びっくりさせようと思ってたのに。どうして斬らないの?





・・・その顔をやめろ!





顔? 顔のせいで斬れないの?





人と同じ顔のまま、殺し合いを演じるつもりか? 悪趣味だ!





そういえば、やけにしおらしかったね。私に迫られてもされるがままでさ。女の子に弱いのかと思ったけど、もしかしてこの顔のせい?





・・・・・・。





惚れちゃったの? ルーガルに!?





かっわいそう! お気の毒に! ご愁傷さま! あっははは!





なんでそこまで笑うんだよ!





だって私にはこんなに怒ってるのに、その元凶を好きになるなんてさ?





え? 何言って――





やっぱ聞いてないんだ。私が魔結晶を集めるのも、島を襲ったのも全部全部――





――砕岩破〈ロックボム〉!


声とともに、僕の膝を固める岩が砕けた。
同時に火の玉がリリーシカを襲う。



!!


魔法陣に火の玉がぶつかり、跳ね返って宙に舞い上がる。



――ああ、やっと来た。


周りの木に燃え移った炎がはぜる中、リリーシカが嬉しそうに笑った。



やあ、リリーシカ。ピクニックにはいい夜だね。





うん、久しぶり。会いたかったよ、ルーガル姉さん。


