◆Area03◆
悲しき再会
◆Area03◆
悲しき再会



遺跡最深部だ。





女王蟻との対面……!





ところがどっこい。出口らしきものは一向に見当たらずコーネリアの姿も見つからない。どうやら、この先最深部に進むしかないらしい。ずっと奥に進んだところで、大きな部屋に突き当たる。その部屋の奥には観音開きの大扉が存在している。





そして、その扉の前に誰かがいる。それは男のようだ。キミたちに気付いたのか、その男──ガラドアは、槍を構えた。





えっ!?





「……」





「お父さん!?」





その男が槍を構え、扉の前で行く手を阻む。目に光はなくキミたちが何を言おうと聞く耳を持たない。PCからの距離は5m、キミたちは同一エンゲージだ。





やっぱり倒すしか!?





《クウェリィ》を宣言!





なんだい?





助ける方法あります?





ない。唯一あるとすれば、彼を弔うことくらいだ。既にその身はアンデッドである。





くう……。





……。





死体ではあるのね……。





Oh……。





──3年前、インフェストアントが遺跡奥に巣食っていることに気付いた彼は、マード遺跡探索に挑んだ。しかし神殿の思惑にまでは気付かず、ある存在との戦いの末遂に彼らに寄生されてしまい、操られている。その身は既に死人であるが、生前に近い姿で利用されている。





その情報共有しますね。





──が、操られている最中も、自我はある。





えっ!?





むごい……。





だからこそ、彼の声を持って伝えよう。





「……俺を……殺せ……」





「そん……な……」





「っ……」





敵は槍の名手、ガラドア。しかしそこに自我はある。操られているが、それを、なんとか抑え込もうとする。





「エルムン……さん……」気遣わしげな眼で見る。





「……」ぐっと槍を握りしめる。





「……エルムン君、君の一言で私たちは動きます。ごめんなさいコーネリア……このような結果で……」


エルムンは意を決し、口を開く。
その目には決意の炎が宿っていた。



「僕がやらなきゃ……いけないんだ……! 父さんを……解放します!! 力を貸してください!!」





「はい、お任せください。弔いましょう」





「もちろん、です……!」


【第1ラウンド】



あ、飛んでていいよ。





わーい。





ガラドアは最後の自我で何とか踏みとどまっている。しかし蟻に操られているだけあって、戦いはするぞ!





ムーブアクションで近づいて、メジャーで《エアリアルレイブ》!(ダイスを振る)命中は10。





(ダイスを振る)ガラドアの回避は8で失敗。





2d+12で(ダイスを振る)19のダメージです!





待機しますね。





「エル、ムン。殺れ……」





「……はい、師匠!!」戦闘移動でエンゲージ。マイナーで《インビジブルアタック》メジャーで《バッシュ》します。(ダイスを振る)17!





(ダイスを振る)14で失敗。ダメージどうぞ。





魔法の方が通る気はするのだけど《ディスコード》エルムンさんでよい?





うんうん。いこうこう。





任せる!





では《ディスコード》で(ダイスを振る)2点ダメージ増加で!





(ダイスを振る)28!





《サモン・フェンリル》!(ダイスを振る)13です。





(ダイスを振る)14で回避成功。続いてガラドアの手番だ。マイナーで《スマッシュ》を宣言しダメージを強化。続けてメジャー《ブランディッシュ》で範囲攻撃、対象は勿論同一エンゲージにいるエルムンとフォシア!





ひえっ。





あっ、どっちか避けて避けて。





(ダイスを振る)命中は12だ。





(ダイスを振る)11で失敗。





(ダイスを振る)20で回避成功!





エルムン、覚悟はいいか!





「……来いっ!」





2d+9+9でダメージは(ダイスを振る)22だ!





「サポートはまかせてください!」ダメージロール直後《プロテクション》で(ダイスを振る)11軽減!





《ウェポンガード》を宣言! 防御中1回、物理ダメージを武器攻撃力の半分軽減します。受けたダメージはこれで……えっと、1!





「ッ!」





キミの槍とガラドアの槍がつばぜり合いを始める。





「まだ、甘いな。だが、いい筋だ……」





キミの槍裁きを見て、ガラドアはそう微笑む。





親子対決かつ師弟対決……。





「くっ……!」掠った。





マイナーでMPポーション使用(ダイスを振る)7点回復。メジャーは《ジョイフルジョイフル》をエルムンさんに! (ダイスを振る)よし、クリティカルなのでコスト0。





コスト0はでかい!





これは後々響く。エルムンこい!





ではふたたび《インビジブルアタック》続けて《バッシュ》いきます!(ダイスを振る)命中は17!





(ダイスを振る)また14だわ(笑)。





固定値かな?


槍がエルムンの頬を掠めた直後、反撃へと転じる。
その動きは、既に知っていた。



「この動きは……知ってる!!」(ダイスを振る)19のダメージです!「せいっ!!」コストが重くなってきた……!





「っ!」





まだまだ!


【第2ラウンド】



セットアップでガラドアが武器、ウィンドライダー改の効果を使用する。





むお?





「ハァ……」





槍を構え直す。ここからが本番だ。装備者の【回避】判定に+1、ラウンド持続。1点の差は大きいぞ。





《エアリアルレイブ》で攻撃!(ダイスを振る)17!





2D+6で(ダイスを振る)16で失敗。惜しい、1足りなかったか。





うしっ。





おー!





うわああこっわああい。





やっぱ固定値2上回られてると怖いね。





(ダイスを振る)ダメージは20です!





「……エルムン……」





《最後の悪あがき》を宣言。リアクション-1Dし防御0としてこのラウンド中このエネミーのデータを扱うぞ!





泣ける。





「みせてくれ……お前の、成長した、姿を……」





「……うん、父さん!」《バッシュ》!(ダイスを振る)18!





リアクションは-1Dされているので、どう足掻いても回避はできない──自動成功だ。





そこに《ディスコード》します!(ダイスを振る)5のダメージ増加!





「うああああああああああっ!!」フェイト1を使用!(ダイスを振る)合計で30のダメージ!


エルムン渾身の一撃が放たれ、ガラドアの腹を貫く。



「ああ……エル、ムン──強く、なったな……」


長い年月が経ちぼろぼろとなった鎧は見事砕かれ、腹部を貫通。そこに寄生していた蟻を討ち滅ぼす。
がたりと、ガラドアの身体が崩れた。よろけて倒れるその身を、エルムンが優しく抱き留める。



「……っ!」





「エルムンよ、よくやってくれた……」





まだ、まだ、息はある。しかし、その身は徐々に朽ちていく。





「父さん……!」





「この蟻どもは、人間を食糧とし、招き寄せている。奥に、女の子が、そうだ、あの子は、コーネリア。すまない……奥には、女王が、いる。女王の骨格は、堅いが、弱点がある……そこを、探れ」





フリーアクションで《腹を狙う》を宣言することで女王蟻の持つ骨格スキルを無視しダメージを与えられる。その変わり命中判定達成値-1だ。





「ああ、そうだ」





既に視力も失われているのか、おぼろげに手を天に伸ばすよ。





手を握る。





「お土産が、あるんだ」





「……!!」





ガラドアが使っていた槍。PIGP104に掲載されているのウィンドライダーをLV1用に改造し、さらにフィルボルが使用する時のみ重量を5として扱う特殊武器だ。これを受け取るが良い。キミの筋力なら余裕でその槍を装備できるだろう。





「……あり、がとう……うぅ……」





そしてガラドアが持っていたMPポーション×5をどうぞ!





おお! ありがたい!





「エル……ム……ン……」





最期にその身が、完全に朽ち果てる前に強く抱きしめて。





「愛している──」





ガラドアは天に召された。





「父さああああああああああん!!」





黙って祈りを捧げる。





「安らかに……」





静かに見守る。





「絶対に……仇は取るよ!」





朽ちたガラドアの体から優しい光があふれ出る。それがキミたちの身へと宿った。さあ最後の戦いが待っている。ガラドアの思いを受け取り全員、HPMPが全回復し、さらにフェイト2点回復だ。既に上限の人はこれで上限を超えてもよいものとする。





わあ……嬉しくて悲しい。





悲しき再会を果たしたキミたち。しかし、女王のもとにコーネリアは囚われの身。





自分の槍を墓標代わりに立てていく。そして形見の槍を装備します。





その武器を装備した時、最期の声が聞こえた。この日はキミの誕生日でもあった──。


「誕生日おめでとう、エルムン。
大きくなったなあ」



そう、声が聞こえて。泡のように、消えた。





「っ……!」





「……ごめんなさい、もう少しお時間あげたいところですが、コーネリアを助けるのに協力していただけますか?」きっついよー。





「報酬金は怪しくなっちゃいましたけど……そんなこと言ってる場合じゃないですよね……。仇、とらないと……!」画面がさっきからぼやけてですね……。どこまで泣かせるんですかお父さん。これは絶対に仇とらねば!





では、各自アイテムを配分しまして、これより最終決戦……クライマックスフェイズへ移行する!


