ギンは目を閉じると、パートナーである春都と連絡を試みた。



2人とも遅くないか?





確かに。ちょっと確認してみたら?





えー、でも、あの2人を邪魔するのも~





そういう問題じゃないでしょ…





確認してみる。少し待ってくれ。


ギンは目を閉じると、パートナーである春都と連絡を試みた。
しかし・・・



繋がらない!!どうなっている!!





佳穂さんが 危ない !!▼


カレンはすぐに立ち上がって茂みの中へ走り出そうとしたが、櫂斗がその腕を掴んだ。



待てって、カレン!お前も先に確認してみたらいいだろ、ギンみたいに。もしかしたら、バグか何かかもしれないし。





それは できません▼





なんでだよ。お前、佳穂のパートナーだろ?





私は 旧型の NPC だからです▼





テレパシー機能は 搭載されていません▼





旧型…?このゲームはこれが1作目だろ…!?





細かいことはいいから!!
ギンと契約しているなら、魔力の痕跡を追うことができるかもしれない!!


シュリーは魔道書を取り出すと、あるページを開いて呪文を唱え始めた。
ギン特有の青い炎が茂みの中からゆっくりと浮かび上がり、それは森の奥へと続いていた。



まだ間に合う!急ごう!


剣を構えたカレンとハンマーを構えたモカが先行し、一同は茂みの中を突き進んでいった。
少しずつギンの炎は強くなり、洞窟が見え始めたところで跡が消えていた。



この辺りだと思うんだけど…





この消え方…。立ち止まったというより、まるで消されたような…





なんか変じゃない~?





これって、近くなると大きくなるんでしょ?
こんな中途半端なところで切れるかな???





続くなら…あの洞窟とか?


夏がゆっくりと遠くに見える洞窟を指差した。
何かわからないうめき声がその方角から聞こえてくるのははっきりとわかった。



いかにもって感じだよな





でも、どうして??
わざわざ危険なところに入っていくようには思えないんだけど。


佳穂の慎重な性格を知っている夏にとっては不思議でしかなかった。
少なくとも佳穂は自分の実力を見誤ったりなどしない。



あまりにも空間が不安定すぎる。
ここの歪みが原因なのか。





佳穂さん……▼


カレンが不安そうに呟いた時だった。



……なんだ?


ザザッとノイズのかかった音がギンに届いた。
ギンは意識を集中させると、やがてその声は探している人物の声であるとわかった。



春都!!今どこにいる!!無事なのか!?





すまない…ギン……俺は、もう…





どこにいるのか答えろ、春都!!





洞窟だ……最期はお前の手で…





………ははっ


春都の乾いた笑い声を最後に何も聞こえなくなってしまった。



春都さんと連絡がとれたの?





………だ





えっ?





洞窟だ!!急げ!!!!!


ギンは激しく吼えると風のように素早く駆け出した。



あの馬鹿が……!!


