有希は巨大な肉塊の怪物に襲われていた。まさにそれは恐怖の具現だった。



有希、どうか無事で居てくれ!!





光輝!!晋也!!有希を見つけたぞ!!


有希は巨大な肉塊の怪物に襲われていた。まさにそれは恐怖の具現だった。



なんだよありゃあ・・・。まさかあれが鬼!?


その肉塊の怪物がその体から生えてる腕から巨大な拳を有希へ向かって繰り出した。
その瞬間、有希は自分の死を悟った。



光輝、龍二、隼人、晋也。みんな好きだったよ・・・。





有希ぃいいいいいいいい!!


ぐちゃあと肉が潰れる音が周囲に響き渡り、血しぶきが飛散する。



あれ、私生きてる・・・?





間に合ってよかった・・・。有希、無事か?


そこには腹部に大きな風穴が空き、口から血を流して瀕死の状態で立っている隼人の姿があった。



私は大乗だけど・・・。隼人が大丈夫じゃないじゃない!!





有希が無事ならそれでいいんだ・・・。こんな時に言うのもアレだけど・・・。オレ、有希のことが好きだったんだ・・・。





そんな事いわれても隼人が死んだら意味ないじゃない!!





光輝・・・。オレはもうだめみたいだ・・・。有希のことはたのんだぞ・・・。


隼人はそういうと糸の切れた人形のようにその場に倒れこんだ。



急いでここから逃げるぞ!!隼人の意思を無駄にするな!!


そういって光輝は有希の手を引っ張り走り出そうとしたが、有希は泣きながら抵抗してきた



いやだ!!私は行かない!!戻ればまだ隼人も助かるかもしれないじゃない!!





有希、甘えるな!!隼人は死んだ!!これは現実なんだ!!隼人の意思を無駄にしないためにも今は逃げるんだ!!


光輝がそういうと、有希は分かってくれたのか。後ろをついてきてくれた。そして、また一人大切な友達を失ってしまった俺たちだが、何とか深夜の図書館から脱出すことが出来た。
