


……





ま、いっか。





朝ごはんも食べたし情報収集しなきゃ。
今日は〝一日目〟……マナが帰ってくるのは明日だ。





ミヤちゃんにあの話出来なかったなあ。
マナの部屋の鍵、どうにかして手に入れられないかって。





五日目までに鍵を手に入れておけば、屋敷内を出歩くマナの隙を縫って実験室に入れる。
そこで何か掴めればいいと思ったのに。





どうせ最近、私よりマナに懐いてるみたいだし。
どうにか取り入ったりして……





……





……や、さすがにミヤちゃんには無理かな。





それよりも、図書室へ行かなきゃ。





……やっぱり……





思った通りだ。
五つ目の違和感……。





私達が読まされている本、そのもの。





マナの外見と言語で、ここはファンタジー世界に近い場所だと思ってた。
でも、植物のことや天気、気候のこと、よく読み込んでみると私がもといた世界にかなり似すぎてる。





この三年間、入ってきたのは古本だけだった。それも私の『学校』での記憶にある、2022年前後のもの。
マナが仄めかすような突飛な科学力も、超常的な生き物や植物も載っている様子はない……





はじめは読んでても知ってる知識の方が多くて、意味あるのかなあぐらいだったけど。





外の世界の情報は意図的に隠されている?
マナなら私が興味を持つかどうかぐらいわかるはずなのに。





それとも……





……!!





いや……その推測は違う。
違う……と思いたい……けど……





だとしたら……ここは……





はあ……はあ……





思わず出てきちゃった……





だめだ……あの考えは……だめだ。





あの本達が……もし、2022年頃の本を〝発掘〟か、もしくは〝翻刻〟……原本と同じように再現した資料だったとしたら?





私達は……ただの記録媒体じゃなく、当時の民間人の思考と行動をプログラムしたサンプルだとしたら……





ここは……未来?


