マギアフィラフト
~兆章~
――地下迷宮三階層。



ナイス、ハル。





ドンピシャっすね。


今、戦闘が終わったところで、連携攻撃していたハルとジュピターがハイタッチをしていた。



本当に息ぴったりですね。





本当に。
声に出さなくても伝わる何かが
あるのでしょうか?





最近は特に仲良いわよね。
まぁ、ずっと自主練とか
してるからじゃない?





何にせよ同じ前衛として
二人とも強くなってるのは
助かるぜ。


ハルとジュピターのコンビは、最近特に息があっている。普段から仲がいいのもあるが、それ以上の何かを思わすほど、呼吸が合っていた。



この場所で三階層は全部
行った事になりますね。





強い魔気を感じます。





ぱっぱと片付けて
戻るとするか。





了解~。





了~解~♪





油断は禁物よ。
強敵が居た場合は、
雑魚から殲滅。
いくわよ。


スケルトンウォーリアー
スケルトンナイト
スケルトンランサー
スケルトンキング



わわ、多い。





あれはきっと
スケルトンキング!
都合良く後方だから
なるべく早く雑魚共を殲滅!


数の多いスケルトンウォーリアーとスケルトンナイトは、一手にハルとジュピターが引き受ける。それよりも強いスケルトンランサーはダナンが相対した。
次々と雑魚を倒すジュピターとハル。多数の相手に戦い慣れている様子で、お互いの背中を守りながら、且つ、臨機応変に敵の数を減らしていく。あっと驚く間に、相手にしていた敵を殲滅した。
ダナンの鉄棍は、スケルトンランサーを盾ごと押し潰し圧倒する。三階層では強い敵に類するが楽勝と言えるものだった。



あと一体。





初見の強敵よ。
絶対に油断しては駄目!





わかってるって。


ゆっくりと歩を進めるスケルトンキング。先頭を行くのはダナンで、ハルとジュピターが左右から挟み込む。



スゲェ振りだ。
あれはやべぇぞ。





旦那、
出来ればあの剣の動きを
止めてくれ!


振り上げたスケルトンキングの剣は、そのまま振り下ろされる。ダナンは間一髪のところで躱し、振り下ろされた剣を地面に打ち付けた。そしてそれを抑え込み大きな隙を作る事に成功した。



ナイスっす旦那ぁー!





一気に行くぞ!





援護するわ!





ぐぁっ!!





くっ……





ちくしょーがぁ……





な、何すか!?
今のは?


スケルトンキングのマントの中から、何本もの鋭い骨が四方に発射されていたのだ。近くに居た四人はダメージを受け攻撃の手が止まる。特にジュピターのダメージが重い状態だ。
そして次の瞬間、スケルトンキングはジュピターの頭上に剣を振り上げていた。
