敬介はスマホを取り出して時刻を確認すると、
攻撃を受けた左腕をかばいながら立ち上がった。



くそっ。
あの葉栗ってやつがいなくなったタイミングで攻撃をしてきたってことは、誰かが最初からずっと俺達を見ていたのか?


敬介はスマホを取り出して時刻を確認すると、
攻撃を受けた左腕をかばいながら立ち上がった。



とにかくこのまま隠れていたらマズイな。
もうじき試練が開始してから30分。
本格的に狙ってくるやつらも出てくるかもしれない。





さっそくきたか……。





ヨクモ……。





ワ……ラヲトジ……メ…………テ。





オマ……ヲ……、……リコ……デク……ル。


現れたシャドー3体は、
木に身を寄せる敬介を囲うように近づいた。



いくぞっ!!


敬介は一体を目掛けて走り、
右足で大きく地面を踏み込む。



!!!!





…………。


敬介の腱撃を受けてシャドーは消滅し、
その場に着地したのだが、
左腕の痛みでフラっとしてしまう。



くっ、やっぱり痛むな。
止血もしねぇと。





コウ……レバ……。





…………。


2体のシャドーは1本の木に手のひらを当てた。



やつら何をしているんだ……。


見たことのないシャドー達の不振な行動に、
微かに声が漏れた。



フフ…………。


シャドーが触れているその木の幹に、
薄い影のような膜が広がっていく。
そして、
その広がりと比例するように、
シャドーの体も薄くなっていく。
木の葉は落ち、
鳥達は身動きできず飲み込まれていく。
シャドーが完全に消え去ったと同時に、
木は完全に影で覆われた。
木は影を取り込むと、
女性のような木へと姿を変えた。



いったいこれは!!


