職員室と書かれたネームプレートを見つけ、鮫野木は六十部と小斗にアイコンタクトした。二人は頷いて鮫野木の反対側にある職員室のドアの前に留まった。
職員室と書かれたネームプレートを見つけ、鮫野木は六十部と小斗にアイコンタクトした。二人は頷いて鮫野木の反対側にある職員室のドアの前に留まった。



失礼します


鮫野木は職員室のドアを勢いよく開けて、中を見渡した。中に居る数人の教師は鮫野木に気づく様子はなかった。黙々と仕事をしている。



入っちゃいますよ


鮫野木が職員室を入ろうとした時、奥の方から中年教師が眉間にシワを寄せて、こちらに近づいてきた。



何なんだね。君は?





この人が、六十部が言ってた。喋るNPCか





どうやら、ここの生徒ではなさそうだが





……





……


鮫野木が教師と対面している隙に、六十部と小斗はこっそり職員室に侵入した。



よし、後は時間を稼ぐだけだ





黙ってないで、何か言わないか





いやー、先生。久しぶりです! 覚えてないですか? 俺ですよ、今年ここを卒業した。俺ですよ!





ハァ?


二人が職員室に侵入したことを確認した鮫野木は注意を引くために、でたらめなことを言い始めた。



それにしては時が経つのは早いですよね、アレから一年経ってるのにここは変わらないなー





……





そりゃ、一年しか経っていないんだ、当たり前ですよね! 変わってないのは、ですよね~先生





君は何を言ってるんだ?





俺もそう思います。でもね





もしかして、俺のこと忘れたんですか





君に一つ、言うことがある





私はここに来て、半年も経っていない。私の教え子のはずがないんだよ





アハハ、おかしいですね





そうだな





出て行け


そんなの聞いてないよ。どうしようか、これ以上無いぞ。



たく、今日は部こうも外者が来るんだ





さては、君も三人組の仲間か?





あの~その三人組とはどんな?





違うとは言わせないぞ! 同じ学生服を着てたぞ





もしかして、一人はヘッドホンを首に下げてて、もう一人は可愛い男子ですか!





可愛い?





んっん、確かに君のいう見た目の男子だった





本当ですか!





君は良く分からん奴だな、本当だとも


良かった。二人とも無事だったか、まさかアイツらも、ここに来てたのか、もう一人誰かと行動しているけど



話は終わりだ! さあ、出てき行ってくれ





いや、ちゃと、もう少しだけ





駄目だ


強引に体を押さ引っ張られて鮫野木は追い出されそうになる。その時だった。



久しぶりです。野村先生





見つかったよ。淳くん


二人が職員室から出てきた。見つけた言う事は、どうやら名簿から野沢心を探し出したんだな。



君は、いつの間に





六十部さん、小斗ちゃん


野村は引きずった笑顔を見せる。



良く頑張ったわね、鮫野木くん。ここは野村先生の言うことを聞いて、立ち去るわよ





あ、はい





たく、何なんだね、君達は! 学校に勝手に……





今のうちに行くわよ





あの、ごめんなさい


説教を始めた、その隙に鮫野木達はカゴメ中学校から出て行った。
