六十部と話しながら歩き、動揺、恐怖など、裏の世界に驚きを隠せないでいる。俺はとんでもない事に足を突っ込んでいるようだ。
ふっと、六十部は立ち止まり話しかける。
六十部と話しながら歩き、動揺、恐怖など、裏の世界に驚きを隠せないでいる。俺はとんでもない事に足を突っ込んでいるようだ。
ふっと、六十部は立ち止まり話しかける。



ところで、鮫野木くんは野沢心のことを知っているわね? どこで知ったの?





それは、あの廃墟から出たとき、偶然、帰ってきたんです





帰ってきた?





はい、アイツの家ですよね





そうそう、ビックリしたよ





いえ、その事は初耳よ





知らない?





そうなんですか!





ええ


六十部にも知らないことがあったのか、どうも六十部を頼り過ぎているようだ。



やっぱりあそこが、キーポイントなのね





キーポイント?





それより、今はここが重要よ





ここは中学校ですよね? ここに何かあるんですか?





ここは昨日、私が調べていた。カゴメ中学校、この世界から脱出するための手掛かりがつかめるかもしれない場所よ





ここに、野沢心がいるんですか?





――ええ、いるはず





はず? 居なかったですか?





正直、私自身。野沢心を見たことがないの





そうなんですか





そこで、お願いなんだけど。野沢心を見つけてくれないかしら


断る理由は無かった。鮫野木と小斗は目を合わせて頷いて承諾した。



あら、ありがとう。てっきり断れると思ったわ





当たり前ですよ! ここから出るためなら何でも協力しますよ





ねっ、淳くん





ああ、ここからで出たいしな


六十部と野沢心を探すことにした。本当は藤松と凪佐を探したかったけど、この世界から脱出するヒントを見つけてた方が後々、役に立つだろうと思った。
まぁ、アイツらなら無事と信じて俺はカドメ中学校に忍び込んだ。
カドメ中学校に忍び込んで、鮫野木達は一年生の教室を一つまた一つのぞき込んで回っていった。



おの、六十部さん。もっと効率良い方法はないのか?


教室を一つ一つ、窓を除いて回る。その都度に普通に授業受けている風景を見ておぞましさを感じた。



そうね、名簿でも、あれば簡単に教室が分かるけどね





じゃ、見に行こうよ





探しには行ったわ。けどね、職員室にはやっかいな人が居て





やっかいな人ですか?





喋るNPCなんだけど、どうもこの中学校の先生らしくて、昨日ここに入って名簿を見ようとしたら、その人に見つかってね。追い出されたの


そんなことがあったのか、もしかして、そのNPCは……。



その人、NPCはどこに居るか分かりますか?





ん? そうね、職員室に居るかしら?





そうですか。なら、その喋るNPCが居たら、俺が囮になります、六十部さんとユキちゃんは俺が囮になっている間に名簿を見つけてください





良いの鮫野木くん? 名簿が見つからないかもしれないわよ





その時はその時です





ありがとう





じゃ、行きますか





何で淳くんが仕切ってるの?





悪いか?





別に





ふふっ、そうね


ふっとした笑顔を見て心臓の鼓動が早くなるのを感じた。



なんだ?


鮫野木は胸を押さえる。走ってもないのにどうしたんだ?



付いてきて、職員室に行くわ





はい





分かった


鮫野木と小斗は六十部の後に付いていった。
