あれから俺は、赤ずきんに少しでも近づこうと、スーパー赤ずきんの従業員になっていた。



いらっしゃいませー


あれから俺は、赤ずきんに少しでも近づこうと、スーパー赤ずきんの従業員になっていた。



店長、どうしてアイツを雇ったりなんかしたんですか。お客さんが怯えて来なくなっちゃいますよ?





うーん。まぁ、悪い子じゃなさそうだったから





狼さん、これからよろしくね





お! おう……


人と関わることをなるべく避けて来た俺だったが、彼女にどうしても近づきたく、レジの仕事を選んだ。
レジは色々と大変だったが、この業務を選んで正解だったと思う。何せ、彼女に何度も話しかけてもらえるから!



……は、はい


あれ? 普段は笑顔の彼女の表情が曇った。
どうしてそんな顔をするのか気になって様子を見ていると、お客様がマスクをしており、何を喋っているのか聞き取れていない様子だった。俺は耳が良いからよく聞こえるけど……教えてあげたいな。



……あ、あの……


聞こえませんでしたと言うのか。それとも、もう一度お願い致しますと言うのか。はたまた聞き流すのか?



よく聞こえなかったので、狼さんに聞いて来ますね!!





はい!?


……それは余計に失礼な気が。
