星華女子高の入学式は午前中で終了になる為、放課後を知らせるチャイムが鳴り響いた。
1年A組の窓際の席で皆に倣って結月も帰り支度を始めた。
そんな彼女の隣には朝出会ったばかりだというのに意気投合して悩み相談までした美咲が帰り支度をする姿もあった。
星華女子高の入学式は午前中で終了になる為、放課後を知らせるチャイムが鳴り響いた。
1年A組の窓際の席で皆に倣って結月も帰り支度を始めた。
そんな彼女の隣には朝出会ったばかりだというのに意気投合して悩み相談までした美咲が帰り支度をする姿もあった。
ユズちゃん、帰りはどうやって彼氏と待ち合わせるの？
わたしが入学式が終わったってラインで送る約束になってるよ。
それから男子校との分かれ道で待ち合わせ
星華男子高も入学式は女子高同様午前中で終わる為、同じように放課後になっている筈である。
そっかわかった。
私はそれに付いて行けば良いんだね？
朝の約束事がある為、美咲はそんなように返した。
うん、宜しくね
結月もすぐに応じる。
そんな結月に美咲は朝の話を聞きながらずっと疑問に思っていた事を問い掛けてみる事にした。
ねぇユズちゃん……彼氏さんに会う前にちょっと聞きたい事があるんだけど、良いかな？
ん、なぁに？
……彼を好きになったきっかけって何かあるの？
え、きっかけ？
そんな事を訊かれるとは思ってなかったのか、結月は驚いた表情でオウム返しをする。
私もそうなんだけど乙女ゲーマーって2次元に一杯恋人が居るからリアルの恋人にまで興味を示さない気がするんだ。
特に幼い頃から乙女ゲーマーだと尚更じゃないかなって。
……まぁ人に寄るだろうし一概には言えないって事はわかってるんだけどね
そう言う美咲に結月はすぐに応じる。
確かにわたしも昔はそう思ってたよ。2次元で現実よりも絶対に良い恋愛を沢山してるから現実の恋とか異性に興味が沸かなくて
その言葉に美咲は少し驚いた様子で更に問い掛ける。
ということはきっかけがあったの？
うん。
これは中学1年生の時の話なんだけどね……
そうして結月は静かに語り出したのであった。
