10.嵐の記憶
10.嵐の記憶
～１３年前～
お、涙！！
あー！！嵐君！
待っていてくれたんだぁ。
僕と涙は一番の親友。
家も隣で、いつも遊んでいる。
今日はどこで遊ぶの？
いつもの公園だ。
今日は”お茶会”があるんだって！
毎月一度に公園で開かれる”お茶会”。
大人は来ちゃ行けないんだそうだ。
わあっ！！また、ウサギさんに会えるんだね！
僕は涙の笑顔が一番何より大好きだった。
ようこそ、招待状はお持ちかな？坊ちゃまとお嬢様。
招待状ってこれのこと？
小石が招待状らしく、僕は涙の分の小石も見せた。
っ！！？
この石は…はい、確かにご確認致しました。坊ちゃまとお嬢様、どうぞこちらへ。
うわあ…今回また、増えている。
やあ、ようこそ、我がお茶会へ！
お好きなお菓子いーっぱい食べていってね。
帽子屋。お茶会を開いた張本人。
帽子屋は毎月一度お茶会を開き、お菓子をいっぱいくれる。
だからといってお菓子を食べ過ぎたら…。
ネバーランドに連れてかれるぞ♪
わああっ！！ウサギさんだぁ！会いたかったんだよ♪
涙の大好きなウサギ。
身長は僕らと同じだ。
しゃべるウサギってすごいなと僕は毎回思っている。
…ちなみに”ネバーランド”とは
どうやら、お菓子を食べ過ぎると連れて行かれるらしい。
先月もお菓子を食べ過ぎた子がいた。
…その翌日、その子はいなくなってしまったんだ。
皆、こう噂をした。
”ネバーランド”に連れて行かれたんだって。
さぁてと、何食べようかな。
その時だった。
…何か鈍い音がした。
－続く
