


ようやく……手に入った





純性宝石……本当の純性宝石が





これで、アスターもお父さんも手術を受けられる





怪盗シャムロックの出番も……終わ……る?





じゃあ、私は何をすればいいの?





シャムロックじゃなくなって、宝石を盗む必要がなくなって……





私は……何のために走ればいいの?





何のためにこの力を使えばいいの?





そうか……私は…………





怪盗シャムロックが好きだったんだ





走っている間は、嫌なことなんて何も考えなくてよかった





追ってくる騎士を撒くことに快感を覚えてた……





手に握った宝石を見て、達成感に震えて……





それが加工宝石だと知った時、実は少し嬉しかった





これを理由に、また走ることができる……





また、怪盗シャムロックになることができる





でも、純性宝石を手に入れてしまった……





もう、ゲームは終わり





そんなの、嫌だ……





私は、怪盗シャムロック……





これが、本当の私…………





そう、あなたは怪盗シャムロック。弱い人のために貴族から宝石を盗む義賊





さあ、手を伸ばして。あなたはここで眠っている場合じゃない





神が、お呼びです





神…………





私達が導いてあげる。あなたが思う存分怪盗シャムロックとして走り回れる世界へ





……うん


