艦長が出て行った。



何故だ…





暗殺者の身元についてだけど





聞きたくありません





聞いて、フランシー、総裁が重症を負っているんだ、旗艦の艦長として宇宙軍幹部として動かなければならない





陛下





それは…今はいいか。暗殺者は地球在住の人間だった。政府の粉がかかっている





え





よほど煙たいらしいよ、殿下が





そんな





幹部として動くしかないの、緘口令はしけなかった。ニュースとして伝わっている。隙を作るわけには行かない。トマス殿も動けない。姉様とマークス元帥が指揮を取ることになるけど、人員が足りない、解るよね、だから僕まで呼び出されている





白薔薇亭も、ですか





もちろん





暗殺者は





生かしてあるけど…どうかな





陛下





どうなるかな、彼は





何か





うわ言で変なこと言ったらしいよ





それは





科学的に割り切れないので、オフレコ





陛下





殿下に夢の中で襲われたらしいよ





は





なんだかわからないけど





陛下、我が君





それは、いいの、フランシー、この地上の指揮、僕任されちゃったの





え





姉様が…





何か





あんた、二年二ヶ月も国王やってたんでしょ、何とかしなさいよ、ですって





無茶言いますね、アルデモード夫人も





言い返せなかった。予備役で僕、殿下の部下だから





わかりました、私も善処いたしましょう。で、レイモンド博士が現場にいた理由は





僕だよ、母様たちが学会と懇親会で留守、ヘンリーは勤め先の病院に聖歌隊の負傷者が運ばれたので、そっちに詰めた





なるほど、それはいい経験かもしれませんね、ヘンリーには





彼は宇宙軍関係者じゃないので、動けない。レイモンは関係しているし、宇宙軍の医局に弟子が何人もいるし、臨時の医局長も勤めたりしているし…





それは、総裁殿下は運が良かったですね





ただ、しばらく動けないんだよね





状態は





昔なら即死レベル





なるほど





状況検分、フランシー、してきてくれるかな





はい





ストークフィールドでも君をかばったんだね、彼





ええ、そうです





ごめんね、フランシー





あなたの謝罪は要りません、陛下





リシィはダメか





この場合はダメです


艦長が出て行った。
