カレンとリズを先頭に真っ暗な森の中を歩いていく。
枝の折れる音の他に、奇妙な声があちこちから聞こえてくる。



先に 進みましょう▼





そうね。貴方達がここにいられる時間は少ないから。





ずっとここに居たら危ないのか?





いや、そうじゃなくて…





体験時間とか?





はい、そうです。





発言がメタいなぁ…


カレンとリズを先頭に真っ暗な森の中を歩いていく。
枝の折れる音の他に、奇妙な声があちこちから聞こえてくる。



この森を 抜けると
花畑が 見えます▼





そこがここのボスの居場所よ。





この森抜けても、綺麗な花畑っていうより、人食い花の畑がありそう。





大丈夫、花は無害だから。





問題はそこのボスってことだな。


話していると、道が広くなり、一面幻想的な花畑だった。



綺麗!





すごい……


花畑の美しさに感動していると、突然佳穂たちを囲むように霧が発生し始めた。



なんだろう、この霧…





夏!!近づいちゃダメ!!


何かが近づいて来る音がした。 霧の中にいる見えない何かはこちらの様子を伺っているようだ。



この森を荒らすものは許さない・・・





おい、あれ・・・





きゃあっ!!





佳穂さん !!▼


突然現れた大きなツタによって、佳穂は濃霧の中へ引きずりこまれていった。
戸惑っているあいだに、霧はさらに濃くなり、仲間の姿すら見えなくなっていく。



けほっ、ちょっと、この霧…





うっ……





厄介な霧ね。私の魔法で…!


シュリーが呪文と唱えると、周りの霧を晴らすように風が吹いた。花びらが舞う中、次第に視界が広くなっていく。



いやっ、放して…!





そんな簡単に逃がすと思っているのかしら。


現れたのは、黒いドレスを身に纏った金髪の女性。
綺麗な容姿とは対照的に、彼女の周りでは不気味なツタが大量に蠢いていた。



あれ、絶対ここのボスだよな





あの姿で雑魚キャラだったら、ここのステージで詰んでる。





こんなに早く彼女が現れるなんて…
もしかして、私たちがここに来ることを知っていたの?





タイミングが悪かっただけよ!
それよりさっさと倒すわよ!


モカは巨大なハンマーを取り出し、リズは拳を構えて戦闘体勢に入った。
しかし、相手は穏やかな笑みを浮かべたまま動こうとしなかった。



…何?この胸のざわつきは…





佳穂さんを放して!!





あんたに構ってる時間なんてないんだからね!


モカとリズが同じタイミングで、敵に攻撃を叩き込んだ。
…はずだった。



かかったわね。





やめて!!二人共!!それは敵じゃない!





カレン。どういうつもり?
アンタ、敵の味方をするの?





何してるんですか!カレンさん!


カレンは、互いに殴りかかろうとしていた二人の攻撃を寸前で受け止めた。



目を覚まして !!
貴方達が見てるのは 幻覚よ!▼
敵は 向こうに いるわ▼





モカの様子がおかしい…





何やってんだよ、リズ!!
それはモカだぞ!?


リズとモカに仲間の声は届かず、二人の敵意はカレンへと向けられていく。



何をしたの?





簡単な話よ。彼女たちには幻覚を見せているわ。自分たちの仲間が全て敵に見えるように。





そろそろ効果が出てくるはず。やがて、仲間も認知できなくなって暴れ始めるわ。





一番最初から、難易度高すぎねぇ?





あら、面白いことを言うのね。
一番最初のステージが簡単だなんて保証、どこにあるのかしら?





お願い!! 私の 声を 聞いて!▼





…………





…………





ギン。いけるか?





あぁ。彼女たちを助ければいいんだな。





このままでは、向こうのチームが全滅する。
その前に何とかしないと…!!


