ある、文化祭の実施が近づいてきた放課後のこと…
ある、文化祭の実施が近づいてきた放課後のこと…



ねぇ、美琴ちゃん!





紗代~どうしたの?


この子は三枝紗代(さえぐさ さよ)。私と同じパソコン部員で、去年のクラスメイト。
今年はクラスが違っちゃったけど、戸山先生の簿記の選択授業で同じ教室だったり、2人とも文化祭実行委員会に所属しているから、感覚的に去年と同じように話ができているような気がする。



美琴ちゃんのA組は、模擬店で「お好み焼き」を出すことになったんでしょ?





そうなんだ!
そう言えば、紗代のB組は「大阪焼き(リング焼き)」だったっけ?





そうなんだ!
そこで!!美琴ちゃんに相談なんだけど、大阪焼きって、お好み焼きを今川焼きみたく平たい円柱状に焼いたものじゃない?





確かに、大阪焼きの中身って、お好み焼きとほぼ変わらないよね~





そうなんだ!!
だから、材料の仕入れをA組・B組合同でできないかな~と思ってさ!





それ、名案だよ!!1回の注文が多ければ、単価を安くしてくれる場所もあるって聞いたことあるし!





同じ材料だけど、大阪焼きとお好み焼きで調理の工程が違うから、できる技だよね!





同じ材料で、違う加工工程を経て別々の製品が完成する…





何だか、工業簿記の「組別総合原価計算」みたいだね♪





言われてみれば、確かにそうかも!





組別総合原価計算の場合、「A組仕掛品」「B組仕掛品」「A組製品」「B組製品」みたいに…





組毎に「仕掛品」「製品」の各勘定科目が設けられ…





製造間接費は…





「組間接費」





って名前になるんだったよね~





そうそう!
月末仕掛品原価も、先入先出法なのか平均法なのかさえ間違えなければ、計算の仕方は今までやってきた計算方法と変わらないしね~





組間接費を、各組の仕掛品に配賦(はいふ)する時は、ちょっと注意が必要かな…





問題によって…





「配賦基準」





が違うからね~





「機械を動かしている時間」だったり「他の原価要素の費用配分」だったり…中には直接パーセンテージで表記されている場合もあるらしいよ。





いつもパーセントで書かれてくれてれば、問題解くの簡単になるんだけどね~





組別総合原価計算って、基本的に仕掛品と製品が組別に分かれるだけで、計算方法とかは前のやり方と変わらないから、今のところ私は一番好きな問題かな~





落ち着いてやれば、今の私たちでも検定で点数が稼げそうな問題だもんね~





そうだね~
…
んで、何だか話がそれちゃったけど、A組はB組との共同仕入れはOK出ると思うんだ!
だから、今度のLHRで文化祭の話をする時、B組もうちのクラスとの材料合同仕入について、紗代から提案してみて♪





分かった!提案してみるね♪


chapter14 に続く
