…気が付くと、俺は霧の中にいた。
辺り一面、霧で包まれており、何も見えない。



…。





…ここは。


…気が付くと、俺は霧の中にいた。
辺り一面、霧で包まれており、何も見えない。



…そうだ、俺は扉を開いた瞬間、何かに襲われて…。


…その後、何が起こったんだ?
しばらく俺は考えていたが、考えるのをやめた。
宛のない答えの見つからないことを考えても仕方がないと判断したからだ。
…バンドもそうだ。
-数年前ー



今日もライブ成功させような。
”礼路”。





おう!


俺はこいつ…礼路(れいじ)とバンドを二人で組んでいた。



二人とも頑張ってね!!


この女性はマネージャーの”凜華”。



成功したら…焼肉食べ放題行くわよー!





よっしゃあああっ!!





…礼路のおごりでね♪





はあああああっ!?


いつもこんな感じで平和だった。
…だけれど



今日のライブも盛り上がってくれて良かった…。





お疲れー!





…あれ?どっかに寄り道してくるって言わなかったか?
早いな。


ライブが終わった後、礼路は”俺、ちょっと寄り道しくる”と言い、礼路は車に乗らず、どこかへ行ってしまっていた。
俺は車で凜華を家まで届けた後、家に戻った。
…その数分後に礼路は帰宅してきたのだ。
…コンビニに寄っていただけだったのだろうか。
ちなみに俺と礼路は同じ部屋に住んでいる。
いわゆる”同居”だ。



…なあ、今日のライブ…良かったか?





…は?


唐突に聞いてきたため、俺は思わず”は?”と言ってしまった。
…今まで、こいつはそういうことを聞いてこなかったのもあり、驚いた。



良かったに決まっているだろ。


今日もライブは盛り上がり、俺たちのグッズ商品も売り切れになっていた。
…恐らく良かっただろう。



…なら、良かった。


…いつもと様子が変だった。
礼路は悲しげな笑顔を見せていた。
電話が鳴った。
…どうやら俺の携帯からだ。
携帯画面を見ると…凜華からだ。



…もしもし。





…あっ!!飛歌?
大変なの…っ!!


…何やら焦っていて泣きそうな様子だった。



…どうした?





…っ!!
…礼路が…礼路が…っ!!


…凜華は泣きながら、礼路の名前を叫んでいる。



…どうしたんだ?





…礼路が…交通事故にあって…。





亡くなったの…。


…俺は凛華の言っていることが理解できなかった。



…は?礼路なら…。


…ここにいる。
俺は礼路がいるであろう後ろを振り返った。
-続く
