公園にあった水道の水で何度もうがいをし、目を洗ってようやく落ち着いた私は、いつもと同じ椅子に腰掛けていた。
公園にあった水道の水で何度もうがいをし、目を洗ってようやく落ち着いた私は、いつもと同じ椅子に腰掛けていた。
隣では泣き疲れた彼女が目をこすりながら黙って俯いている。
彼女なりに責任を感じ、そのせいで私に声を掛けづらいようだった。



そういえば……


だから、その言葉を口にしたのは私だった。



真美って名前さ、実は俺が泊めてもらってる親戚の家の人と同じ呼び方なんだ。だからさ、他の呼び方でもいいかな?


その言葉に応じて、彼女は私の方を向いた。その顔は、少し不思議そうな表情をしていた。



だからさ、苗字とか、あだ名とか。できれば真美以外の呼び方で……





あだ名!?


『あだ名』という言葉に彼女は瞳をキラキラと輝かせ食いついてきた。
それはいつもの無邪気な笑顔とは違う、新しい発見だった。



君が付けてくれるの? あだ名を!





まあ、そんなところかな


実のところ私はあだ名を考える気などなく、苗字を聞きその通りに呼ぼうと思っていたのだが、彼女の目の輝きと勢いに押され、思わず頷いてしまった。



やりましたよレモン! ついに私は念願のあだ名を手に入れるのです!


何故か敬語になりながらはしゃいでいる彼女を落ち着かせ、一緒にあだ名を考えるため彼女に椅子に座るよう促す。



まず苗字を聞こうか





はいっ! 雛森です。雛森真美と言います


私の質問に、彼女は元気良く丁寧に答える。



雛森ね~。ならもう一番メジャーに略すとして、『ヒナ』っていうのはどう?





いい!


私の言葉に彼女は即答だった。



そんなすぐに……ちゃんと考えたの?





考えたよ。そのうえでいいって言ってるの!


こうして彼女のあだ名は決まった。あまりにもひねりのない単純なあだ名。
これから後、私は彼女を「ヒナ」と呼ぶようになる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。
カレンダーを見て気付きました。
今日がゴールデンウイーク
最後の日なんです!!
そのことに絶望しつつ次の連休を探していた私は、またも驚きました。
7月後半まで祝日が
ないのですっっ!!!
私の心の支えがないまま2ヶ月を過ごさなければなりません。
そんなことを思った、ゴールデンウイーク最後の日でした。
それでは、今回はこの辺りで失礼します。
……何かワクワクするような
楽しい事はないだろうか……
