…俺は井戸の下に降りて行った。
…俺は井戸の下に降りて行った。
井戸の中は…やはり暗い…。



…っ!!
危ねえ…。


…俺はロープから手が滑り落ちそうになった。
…ひたすら下に降りて行く。
そろそろ底が見えても良い頃だよな…。



…底だ!!


俺は安堵して底まで降りた。
降りてみると…トンネルのような道だった。
…この先、何があるんだろうか。
…道の先には冷たい風が吹いている。



…ここで立ち止まっているわけにはいかない。


俺は暗闇の道に向かって歩くことにした。



…!!


しばらく歩くと…コンクリート製の部屋に出た。
その部屋は…何もなくただ、ただ…壁だけだ。
…行き止まりか?
…俺はあることに気付いた。



…てか、あの井戸からまっすぐに落ちて井戸の真下に落ちているはずなんだけれどな。


よくよく考えてみたら…真下に落ちていなきゃおかしいんだ…。
…けれど、ペンダントらしきものは落ちていない。
何か嫌な予感がする…。



…一度戻るか。


来た道を戻ろうとした時だった。



…この声はっ!!


…シロエの叫び声だった。
俺は走った。
…俺は上った。
手が痛くなろうが、構わなかった…。
…シロエが無事なら。



…シロエっ!!


俺は井戸を駆け上った後、シロエがいるか見た。
…いない。



…シロエっ!!どこだっ!?


俺は叫んだ。
…すると、階段から



…君は誰だ?


…赤髪の少年が現れた。
ー続く
