突然現れたレッドクロ…。
…彼は一体…。
突然現れたレッドクロ…。
…彼は一体…。
そして…間もなく…ケルベロスは…逃げていった…。



…先程は失礼しました。
そのお詫びと思い…。


初めて会った時のレッドクロとはまるで別人のようだ…。
レッドクロは跪いた。



…止してください。
気にしていませんから…。





…いえ。深くお詫びを…。
…それよりも。


レッドクロは懐から何かを取り出した。
取り出すと同時にそれを投げた。
…転がり落ちた物…それは…。
真っ赤な…真っ赤なリンゴだった…。



…この真っ赤なリンゴは…?





…これは…真っ赤なリンゴなんかじゃないですよ。
…真っ黒なリンゴです…闇に満ちた…。


…真っ黒?
どう見ても…真っ赤なリンゴだ。
…見れば見るほど…とても美味しそうに見えてくる。
私は…その真っ赤なリンゴを手に取った。



…とても綺麗で美味しそう…。





…っ!?
…それを口にしてはダメだ…っ!!


レッドクロの叫び声と同時に…私はそのリンゴを口へと運んでいた…。



…うっ…!?


…突然の目眩に…体から力が抜けていく…。
…そして、視界は真っ暗になっていった…。



…あ…あ…っ!
…赤貴に乗せられたばかりに…。
俺は…俺は…ただ…黒貴を…。





…。


俺は…ここのお屋敷の衛兵見習いとして配属されることになった。



…ごきげんよう。
もしかして…新しい衛兵さん?


…服装からすると…ここのお嬢様か…?
薔薇園から出てきた少女は…とても輝いていた。



…そうです。
レッドクロと言います…。





私は…ここの娘…薔薇城シロエ。


ー続く
