…黒貴君は話すのにも苦しそうだ。
鍵は…赤貴君が持っているのか…。



黒貴君…宝部屋の鍵を持っている…?





…残念ながら…あれは赤貴が…っ!


…黒貴君は話すのにも苦しそうだ。
鍵は…赤貴君が持っているのか…。
私は時計を見た。
…夜中の12時を過ぎている。



夜中…12時を過ぎている…。
今から赤貴君に会えたとしても…きっと怒られる。
…怒られても構わない。


私は赤貴君を探しに行こうとした。
すると…。



…赤貴は…危険だ…。
レッドクロ…も…あいつが…。


言い終わる前に黒貴君は意識を失ってしまった…。



…黒貴君!?





…しっ!静かにしなさい。
黒貴は意識を失っただけよ。
…宝部屋の鍵を赤貴が管理しているなら…゛地下゛に隠している可能性があるわ…。


地下…?
地下ってまさか…。



…あの井戸のこと?


他に思い当たるところはない…。
見落としている可能性もあるかもしれないが、やたら井戸に近づかせたがらない理由がそれなら…。



…正解よ…。
あの井戸の下が地下よ。


怖いけれど…行かなきゃ。
黒貴君を助けるために…。



恐らく、井戸があった場所には行けなくなっているから…私が連れて行ってあげる。


え…?
井戸があった場所には行けなくなっている?
どういうことだろう…。



…どうやって、連れて行ってくれるの?





ふっふっ…。


クロアは不気味な笑い声をあげ、何かを唱えた。
たちまち…霧へと包まれていく。



…わあっ!


霧で周りは見えない…。
…けれど、なぜか安心だ。



着いたわ。


目の前にはあの井戸があった。
…降りよう。



…気を付けてね。
言い忘れていたけれど…井戸の下に番犬が待ち構えているわ。





番犬…?


ー続く
