この決断が、ハルカの運命を変える事になる!



どっちにしようかな~





右かな~





左かな~





早くしなさいよ!





じゃ~ね~
右にする~


この決断が、ハルカの運命を変える事になる!



この先にある家なんだけど、
あそこだけ純和風なんだよね!
どんな人が住んでるんだろうね?





たしかに~
一度も住んでる人見たことないね~





実は・・・
誰も住んで居ないんじゃない?





そうかな~?
庭とかも奇麗に手入れされてるから
誰か住んでるんじゃないの~?





実はイケメンとか
居たりして・・・。





桜かな~?
今日も奇麗に咲いているね!





あれ?
今日は車があるよ。
もしかしたら、
住人が見れるかもね。





ふぁぁ~
ホント~だ!





でも、あの車じゃ~
イケメンは期待出来ないかもね。





確かにそうね!
軽トラじゃ~ね!


そんな話をしていると、
向こうから背の高い男性が歩いてきた。
二人は妄想に夢中で、
話しかけるまで気が付いていなかったようだ。



君たち、ウチに何かようかい?





キャ~





ごめん、ごめん。
驚かしたみたいだね。





ココを通るときに、
お花や建物が奇麗なので
いつも魅入ってしまって・・・。
ねぇ、ハルカ?





そうだね!
アカネちゃんと
どんな人が住んでいるのかな~って
妄想してたんです。





ちょっと、ハルカ
余計な事は言わなくていいのよ!





そっか~
っで、妄想していた住人と
僕は一致したのかな?





おじいちゃん、おばあちゃんが
住んでるのかと思ってた!





まさかのイケメンさん登場で、
驚いてます!





イケメンかな~?





もともとは祖父母が住んでたので
ハルカちゃんの妄想は合ってるね!





やっぱり~。
おじいちゃん、おばあちゃんは?





こら、ハルカ!
察しなさいよ!





え!





もう居ないんだ。
だから、
一緒に住んでた僕が譲り受けたんだよ。





ごめんなさい。
つらい思いでだよね。





別に良いよ。
知らなかったんだしね。
もし良かったら、
今度も遊びにおいでよ!
縁側でお茶を飲みながら、
花を見るのも結構楽しいよ。





でも良いの?





こんな私たちがお邪魔して
良いのかしら?





この家も花も、
気に入ってくれたみたいだから
いつでも来て良いよ。
それに、
玄関先で立たれてるよりはねぇ~





うん
また来るね!





私も、また来ます!





じゃ~ね!


出会いは単純なもので、
仲良くなるきっかけは幾らでも転がっている。
それをものにするがどうかは、キミ次第といったところだ。
そして月日は流れて・・・。



ハルカね~。
もっと、い~ぱいお花みたいな!
秋には、マリーゴールド・ミニバラ・百日紅なんかもみたいな~





本当に、お花が好きなんだね。
難しいかもしれないけど、
育ててみようか!





アスムさん、ハルカに甘すぎだよ!





そんな事無いと思うけど・・・。





アカネちゃんのリクエストは?





カーネーション!
カーネーションは外せない!





そうだね。
それなら毎年育ててるから、
今年もみれるよ!


いつしか学校帰りに立ち寄る事が
変わらぬ日常となっていた。
いつからだろうか?
昔はどれだけ通っても、
人の気配も感じなかったのに
今では必ずアスムがソコに居る。
その事が不思議と気にならなくなっている事に。



ハルカ、どうしたの?
もうすぐ授業終わるけど、
なんだか思いつめた顔してるわよ!





最近ね、アスムの事が気になるの。
今何してるんだろう?
とかね、
今日も会えるのかな~って?





ハルカ、それは恋よ!
アスムの事が好きになったのね!





そうなんだ~。
やっぱ、そうだよね~。





告白してみたら、良いじゃん!
もしかしたら、OKかもよ。





うん!
今日、言ってみる!


アカネはハルカの為に、
今日は中には入らないからと、
ハルカに告白する場を提供した。
友人の恋の邪魔をしてはいけないと思ったのだろう。
そして、アスムの家の前に行く二人。



ありがとうね!
アスム。





気を付けて帰れよ!





あっ!





ハルカちゃん、来てたの?
ごめん、ちょっと待ってて。





あなたが、ハルカちゃん!
アスムから話は聞いてるよ。
可愛いお客さんが来てくれて、
楽しいって!





そうなんだ~
なんだか嬉しい!





そういえば、お姉さんは誰ですか?





そうね~
アスムの彼女って、とこかな?





そ、そうなんですか。





お前な~、からかうなよ!





だって、可愛いんだもん!





違うの?





コイツは、サナエ。
俺の妹だよ!





サナエです。
ヨロシクね!





ハルカです。
こちらこそ、宜しくお願いします。





そろそろ帰るね!
バイバイ。





あぁ。


ちょっとしたハプニングもありつつ
本来の目的を果はそうとするハルカ。
二人を包む空気がいつもとは違う感じがしていた。



あのね、アスム。
アスムは好きな人いるの?





いるよ。
大事にしたいと思える人が、そばにね。





そっか~。
それじゃ~、ハルカはダメだね。





僕はね、ハルカちゃんが好きだよ!





えっ!





ハルカちゃんさえ良ければ
一緒にいてくれないかなぁ~





はい。





ようやく結ばれたわね。
私は帰ろうかしらね!


アカネは二人が結ばれる瞬間をみて、
安心して家に帰って行った。
そして二人はこの後も仲良く過ごすのであった!
さて、アスムはハルカに嘘をついていた。
何処が嘘だって?
それは・・・
この家にはもともと、
2匹の兄妹猫と身寄りのない老夫婦が住んでいた。
老夫婦の死後、2匹の猫は姿を消した。
老夫婦にはアスムという息子も居なければ
孫も居ない。つまりこのアスムは・・・。
生前老夫婦は二匹の猫に「アスム」と「サナエ」
と名付けて可愛がっていた!
