そっと、モーションから友キスを選択してマッキーがリナの頬に口づけを落とす。



そういえばさ、マッキーはその。
そっちで彼氏とかは、できたの?





んー。いないけどー。





そっか。





どうしたのリナちゃん。
あ、まさか!





な、なに?





告白された、とか?
どうなのー?





そ、そんなのないよ!
マッキーの意地悪!





あ、あれ?今の意地悪なポイントあったかなー!?





……意地悪だ……。





……ごめんねリナちゃん。


そっと、モーションから友キスを選択してマッキーがリナの頬に口づけを落とす。



私、傍に居られないからね。
私じゃない、誰かがリナちゃんを支えてくれればいいなって。





マッキー……。





ごめんね。
ほんとは自分でもそんなこと考えるのは嫌なの。
でも無理だから、無理だから……くぅっ。





ごめん。マッキー。
私も拗ねすぎだった。
私も、マッキーが私以外の誰かを一番にするのやだ。


リナもお返しの友キスを返す。



だから、約束。
リアルで何があっても、ここではお互いがずーっと一番。





約束守れるかな?





守ろう。
お互いが、お互いを好きでいられれば。
絶対守れる約束。





喧嘩もなし?





喧嘩もちょっとしよう。
お互いため込むばっかりじゃダメになっちゃうもん。





甘えるのは……?





いくらでも。
ああ、世界が……。


電脳だけならいいのに。
抱きしめるモーションは18歳以上からの解禁でかなわず。
ただそっと寄り添ったリナの口から洩れた言葉に。
マッキーも静かに頷いた。
広い世界、狭い居住区、無数の人がつながる電脳。
その中で二人は確かにお互いだけの世界を作っていた。
それが少女達の遠距離電脳コミニュケーション。



ねえリナちゃん。一つ提案があるの。





何かな?私にできることなら。





お互い、「大人」になったと思ったら。





うん。





電脳婚、しちゃおうよ。
電脳での結婚なら性別は関係ないし。





はわわ!?





リアルで、お見合いして、誰か男の人と法律上と生物学的に夫婦になっても。
電脳では、心だけは二人お互い、一番の証。





……うん。いいね。
あぁあ、早く大人になりたい理由が増えちゃった。





うん、はやく大人になりたいね。


「大人」になるのはいつなのか。
そう思えるのはいつなのか。
その答えは世界で二人だけが、いや、誰も知らないかもしれない。
でも、その答えは二人で出せる。
難しくて、簡単なクエスチョン。
