-街の酒場-
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で、パーティーはどう分けるんだ?


話し合いの結果、パーティを2つに分けることが決まった。
もちろん、各々のレベルUPと、先刻襲ってきた刺客への対応策を考えるためである。



あたしはご主人様と一緒がいいな♪





勇者殿がどうしてもと言うなら、同行してやってもいいでござる





まさかボクと一緒に行かないなんて、言わないよね☆





私は勇者様となら、地の果てまでご一緒する所存です!





えーっと……


異世界とは言え、齢50歳にして訪れたモテ期!
嬉しくはあるものの、実際に体験すると戸惑うばかりである。
……いや、この世界の存亡が掛かっている以上、そんなピンク色の悩み自体、許さるべきではないのだろう。



おい、獣娘! お前の発情期はいつだ?





もうすぐです~!





次、魔法士! お前の発情期はいつだ?





毎日だよぉ☆ えっへへ♪





よしっ! 獣娘と魔法士は、あたいと一緒のパーティーな!


有無を言わさない気迫で言い放つ竜戦士。



ええー!? どうしてですか!





そうだよぉ! せっかくの既成事実のチャンスなのに……って、はっ!?





「万物の支配者」も語るに落ちたな





しゅーん





なんでー!? あたしはご主人様と一緒に行くよ!





……


竜戦士のアイコンタクト。
私はとっさに空気を読んだ。



チャッピー! お互いが強くなるために、別々に頑張ることが必要なんだ!!!





そうなの? ご主人様がそう言うなら、分かったよ……





いい子だ、チャッピー!





仕方ない! 勇者殿の面倒は引き受けるでござるよ! はははっ!





至らないこともあるとは思いますが、よろしくお願いしますね、勇者様!





あ、聖騎士!





?





もし、召喚士が勇者に対して不穏な行動をしたら、遠慮なく斬っちまえよ





承知した!





? 不穏な行動って何でしょう?





思い当たらなけりゃ、それでいいぜ





ちっ! 竜戦士め、余計なことを……


-数時間後-



くー……すぴー





ええ!? 勇者様って既婚者なんですか!?


なぜか私の身の上話になっていた。



とはいえ、離婚することは決まってますがね





つーか、離婚を匂わせておいて、わざと隙を作ってたりしてな~





それは人ととして、どうでござろう?





ボクは逆に燃えてイイって言うか、後腐れがなくてイイって言うか☆





イェーイ! この「ピー」(放送禁止用語)め! えいえいっ!





ああん? 酔った勢いで失礼なこと言ってんんじゃねーよ! 照れるじゃねぇか♪





あなた方は本当、フリーダムですな


こんな光景も見納めかと思うと、少し寂しい気がした。
そして宴はいつものように、朝まで続くのだった……。
-次回を待てっ!-
