目覚めた時の頭の痛さは無くなっていました。

　風邪の怠さも思いの外残っていないようです。

　行動を開始しようとして、冷静になって辺りを見回します。
　

　森の中に入って行くのは大変危険です。

　今の私は素足。お布団の中に靴を履いたまま入るわけがないので当然です。

　幸い土の上は柔らかく歩いているのが辛い程ではありませんが、何か対策をしないと絶対に怪我をします。

　私が先程まで寝ていた辺り。

　よく見ればそこに幾つか物が置いてありました。

　靴です。

　靴があります。

　しかも私の靴です。

　それだけじゃありません。

　他にも私のだと思われる物が落ちています。

　どうして私の物がここに？

　良く分かりませんが何も持ち物が無いのは不便だと思った妖精さんが置いてくれたのでしょうか。

　妖精さんありがとう。

　感謝感謝。

　何でしょう。

　手を奥まで突っ込んだ所、すっぽり中まで嵌りました。

　明らかに異常です。

　底まで手をつけたのならその感触がするはず。

　それが全くないのです。

　それどころか、底なしのようにまだまだ奥があるようにさえ思えます。