泣くのを止めて其方の方を凝視します。
泣くのを止めて其方の方を凝視します。



誰か……誰かいるの……?


言葉に答えてはくれませんが、確かに反応がありました。
思い切って近づいてみます。



え


大きなゼリーがあります。
そのゼリーは動いていました。
色は水色。
サイダー味かな?
何でゼリーがここに?
というより、何でゼリーが動いているの?
ゼリーの中心には梅干しみたいなものが入っています。
ぐにゃぐにゃのゼリー。
生きているのでしょうか。
そのゼリーは私の方へと近寄ってきました。



ゼリーさん?


恐る恐る触れてみます。
感触はゼリーです。



つんつん


ひんやりして気持ち良いです。



つんつーん


何だか楽しくなってきました。



つんつんつん?


突っつく度にゼリーが揺れて反応します。
ちょっと可愛いかも。



つんつん……


突いている内に、また寂しいという感情が溢れ出して来ました。
お父さんとお母さん、心配しているよね……。
俯いていると、ゼリーの手? 多分手だと思います。それが伸びて来て、私の頭を優しく撫でてくれました。



慰めてくれるの?


ゼリーはぷるぷると反応します。



ん……





ありがとっ!


少し、元気が出てきました。
このままじっとしていても埒が開きません。
ならば行動あるのみ。



ついてきてくれるの?


ゼリーは頷くようにぷるっと反応しました。
まずは森を抜けて、誰か人を探しましょう。
妖精の国なら、妖精さんがどこかにいるはず。
ゼリーさんと一緒に私は移動を開始しました。
