あの出会いから数日経った。
あの出会いから数日経った。



それじゃあ学校に行ってくるよ。





はい。行ってらっしゃいですの、ユウヤ。





いつも通りメシはあいつが持ってくるからな。





それと、明日から連休だから元の世界に帰られる方法を探しに行くか。





ありがとうございますの♪





でもせっかくのお休みなのに、お友達と遊びに行かなくていいんですの?





あぁ、そのへんは心配すんな。カズヤには連休中は用事があるって言ってあるしな。





それに、あいつにエリーゼと暮らしてるなんてバレたらまたちょっかいかけられるに決まってるしな……。





ユウヤ、早く行かないと遅刻しますの





あ、いけね。





それじゃあ今度こそいってくる。





はーい♪





ユミが来るまですこし暇ですの……。


ユミとは、何をやっているのかわからないが1日中家にいるお隣さんである。
エリーゼがユウヤの家に来た時にばったり鉢合わせ、ユウヤがいない間のお世話を自ら引き受けてくれた優しいお姉さんだ。エリーゼを見る目つきがすこし怖いが



それに、そろそろこの状況をどうにかしないといけませんの。


ユウヤに出会ったあの日から、未だに元の世界に帰れる方法が見つからず、焦りは増していく……



でも、どうにもなりませんんし、難しいことはプリンを食べてから考えますの!


なんてこともなく、むしろこの環境に適応しているエリーゼであった。
むしろ、この状況に焦りを感じているのは他ならぬ犯人(?)である。



さすがにのんきにしすぎですよ!





こんなんじゃレポートなんて書けないじゃないですかー!





ここはなにかアクションを……、いやでも、現時点での私本人の介入は禁止されてますし……。





あ!私、ひらめいちゃいました!





そうと決まれば……、あっ、すみません。いつもお世話になっております。……はい、エージェントを一人接触させます。





はい、できれば彼女がいいですね。事情も知っていますし……。





ではそのように。それでは~♪





ふっふっふ~♪ これでよし。さすがにこの部屋に来てもらわないと話が進みませんしね~♪





では、また見守りますか。


そんなわけで、彼女に近づく人が一人……、



部屋でテレビを見ながら食べるプリンは格別ですの!





あ、ユミかも知れませんの!





でもいつもより来る時間が早い気がしますの……。





まぁいいですの。はーい!


インターホンを確認せずに扉を開けるエリーゼ。



……。





……。





はぁーい♪





……。





部屋に戻ってテレビを見直しますの!





まてぇい!無視しないの!





きゃっ!





だ、誰なんですの!?





なんかもう横に名前出ちゃってるけど名乗るわね。あたしはカズハ。





貴女をとある人に合わせたくてね。迎えに来たってわけ。





は、はぁ……。とある人って誰ですの?





それは着いてからのお・た・の・し・み♪





さぁ、来なさい。


無理やり手を引っ張られて連れだされる。



い、いたいですの!ちゃんとついていきますから放して欲しいですの!





だぁめ♪





えー!


そして、1時間後。



足が痛いですの……。お腹すきましたの……。早く帰りたいですの……。





どんだけ足腰弱いのよ。1時間歩くぐらい問題ないじゃない。





それに、もうすぐ元の世界に帰れるようにするんだからすこしは頑張りなさい。





えっ!?まだ何も進展していないのにいきなり帰れるなんてさすがにぶっ飛び過ぎですの!





仕方ないじゃない!あなたが行動起こさずプリンなんか食べてるせいよ!





なんでそんなことまでお見通しなんですの……。





あたしはそういう報告を聞いただけなんだけどね、





さ、着いたわ。


そこは、様々な機械が置いてある不思議な場所であった。



な、なんですのここは……?





ここは異世界へ渡るための施設よ。





まぁ戻れるかはこの人次第だけどね。





どーも、お久しぶりですね。エリーゼさん!





あ、貴方は!





何ですの? このスマホ。





忘れられてる!?





貴女をこの世界に届けた張本人ですよ! スマホですけど!





あー!あの時のうるさい石版ですわね!!!





なんでわたくしをここに送ったのか説明をよこせですの!





な、なんか性格変わってません!?





ま、まぁもとよりそのつもりです、





じゃあとっとと話してほしいですの。早く帰ってユミのお昼ご飯食べたいですの!





適応しすぎですよ……。元の世界に早く帰りたいって思わないんですか?





確かに帰りたいですの。





でもどうせすんなり帰してくれそうにありませんの。ユウヤの持ってた漫画でもそうだったですの。





漫画って、貴女ねぇ……。





でも仰る通り、当分は帰れません。その辺もお話したかったのです。





でもお話が長くなりますので、ちょっと待っててくださいネ。カズハさん。局長を呼んできてくれますか?





分かったわ。





局長?





はい、この施設の局長です。それでは私は一旦電源を落としますね。説明は局長から。





へ? あ、ちょっと!





……。





電源が落ちてますの……。





エリーゼちゃん、局長を連れてきたわ。





ま、まだ全然状況が飲み込めてませんけど、局長って人にいっぱい問いただしますの!





なんでわたくしがここに飛ばされたのかを!





いややっぱりお腹を満たすほうが先ですの。プリンがほしいですの。


えらくのんきなエリーゼであった。
そして、そんなことを考えていると、カズハの後ろから局長が姿を表した。



って、どこに居ますの?全く姿が見えませんの。





下!下にいるから!





きゃっ!猫がしゃべりましたの!





全く、猫がしゃべる位でなんじゃ。お主の国では普通じゃろ。





しゃべる猫なんて漫画でしか見てませんの!





お主は厄介になっている家のものに毒されすぎじゃ。





ごほん。自己紹介がまだじゃったの。わしはソエル。この支局の局長をしておる者じゃ。





あ、ご親切にどうも。わたくしはエリーゼですの。





さてエリーゼ君。君は元の世界に帰りたいかね?





帰りたいですけど、この世界も割と好きですの。だからいますぐに帰りたいってわけでもありませんの。





え?そうなの?ほんとに?





はいですの!





うーん、それはそれで話が進まないんじゃが……。





でも、どうしてこの世界に飛ばされたのか、その理由は聞きたいですの。





ふむ、わかった。もとよりそのつもりじゃ。





あれはそう……。全てはお前さんの国で今起こっている出来事のせいじゃ。





さて、進んでるのか進んでないのかよくわからないこのレポートも、そろそろ終わります。





ぶっちゃけ介入してね?とか、話が唐突すぎだよ!とか、いろいろ思うことはあると思います。





ですが、それをぐっと飲み込んで、もう少しこのレポートにお付き合いくださいませ。





それでは皆様、また次のレポートでお会いしましょう。グッバーイ♪


いやほんと、一体どうなることやら……。
