


テレポートした先は標本室のようで、室内には壁中びっしりとなにかの標本が並べられています。
それらは虫や草木のピン留めから動物のホルマリン漬け、そしてどのような意図か楽譜のぼろ切れや大量の爪を保管した瓶など様々です。





気持ち悪い部屋だな





ひえー





少し怖い……





部屋は等間隔に置かれた天井まで伸びる巨大な木製の収納棚によって仕切られ、
細長い通路が縦に何本も延びているかのようになっています。





とりあえず待ち伏せはないみたい?





部屋を警戒しよう、判定はいるか?





では、ウィルが標本室を注意深く見渡していると、再び聞こえてくる声がありました。
さきほどの声と同一の二人組で、ぼやく内容もほとんど一緒です。
ふたりはこの標本室の入口に立ち、こちらに身体の側面を向けて話し込んでいる様子です。





彼らからぼくたちは見えてないのかな。





今はちょうど収納棚に隠れて見えませんが、棚から身体が出ると見つかってしまうかもしれませんね。





二手に別れて挟撃するか?





私もそうやって考えてたよー





いや、もう少し待ってみようぜ。何かヒント言うかもしれないしな





(コクコク頷く)





では収納棚に隠れている君たちの耳に、男たちの会話が聞こえてきます。





けどよう。ボスの弾丸よ、あれ今回かなり金かけてるよな





そりゃあな、純銀製だろ? なんでもあれは――





やべえ、ボスもいるぞ





さっきの弾丸はこいつらのボスが撃ったやつっぽい?





では、会話をここまで聞いたので、えーと……ナロードさん、危険感知判定して下さい。





……えっ





あれ、もしかしてバレる……?





(祈りながら)
2d6 = [6,1] = 7





おっと。ではナロードが身体を預けた反動で、収納棚から硝子瓶の標本がひとつ
ぽろりと地面へ落ちていきます――





こいつ~。





……!!(パニックになる)





が!





が!





それをすんでの所で隣のウィルがキャッチし、事なきを得ます。





きみやるじゃーん





ナイス!





(泣きそうな顔になりながら無言でぺこぺこ頭を下げる)





やっぱりチームより個人の方がいいんじゃないか?





まぁまぁ、一人じゃ挟み撃ちもできないよ?(ナロードの頭をなでながら)





一方、ふたりの会話はまだ続いております。





――だからな。とりあえずオレはボスのところに、さっきの扉の音のことを報告しに行くぞ





ああ、頼むわ





そう言うと、二人組はこちらに背を向けて扉へと歩いていきます。





肝心なところが聞き取れなかったな





どうする? ここは泳がしておく?





いや。報告される前に、多少無理にでもここで倒しておいた方がいい





この位置なら気付かれずに奇襲をかけることができますよ。





じゃあ襲いかかる!





では戦闘です!
今回はそちらの奇襲なので先制判定を自動成功扱いとします。
敵は前衛に2体だけです。どちらも同じ種類ですよ。





魔物知識判定しよう。つっても人族っぽいけど。
2d6 = [4,6] = 10





なら、敵は『ウィデインズ盗掘団員』だと分かります。
名前はオリジナルですが、データは『山賊の突撃兵』と同様です。では、そちらの先攻で攻撃どうぞ。





じゃあ俺から行くよ。





お前ら止まって見えるぜ
2d6 = [2,1] = 3





ミスですね(笑)。





ミスです(震え声)。





止まってみえるね。





世界が静止する瞬間。





次、私いきまーす。
2d6 = [3,1] = 4





おおう……回避です。





先制攻撃をムダにしていく前衛ふたり。





うーむ。





【エネルギー・ボルト】を唱えるよ。対象は……より扉に近いほう、かな。





集中、集中……
2d6 = [2,5] = 7





行使成功……ダメージは、魔法で8点です。





抵抗できずに食らいました。
突然の攻撃に慌てています。





ナロードに続くぜ。【ソリッド・バレット】で弾を込めてダメージ受けた奴を狙う。





2d6 = [1,1](1ゾロ) = 2





おい。





ここでピンゾロかー。





みんな奇襲下手すぎですよ(笑)。





オレらは正々堂々とした勝負が好きだからな(強がり)。





じゃあ盗掘団員のターン行きます。それぞれウィル、ラフィーナを狙って武器攻撃をしますよ。


しかし、奇襲が功を奏したのか敵の攻撃も出目が悪く、ウィルは回避、ラフィーナにも軽いダメージを与えるのみに留まりました。
2ラウンド目
汚名返上とばかりにウィルが攻撃をクリティカル、体力の減っていた盗掘団員を倒します。
更に後衛二人が残りの盗掘団員に攻撃を加え、主動作を残すはラフィーナのみとなりました。



次は当てる!
2d6 = [5,4] = 9





お、それはさすがに命中します。





ダメージは……10点!





やったか?





ぎゃああと間抜けな悲鳴をあげて倒れました。





やったぜ





戦闘終わり! 探索等に戻れますよー。





とりあえず戦利品判定しよう。





あ、じゃあオレもー。





じゃあその間にレンジャー技能で魔香草を使って、ナロ君のMPを回復するよ! ……えーと、4点回復。





……あ、ありがと





あと自分でもヒーリングポーション飲む。ごくごく。こっちは……9点回復だね。





えーと、おふたりの戦利品の結果は……
まず、盗掘団員の懐から干し肉を2個ゲットです。保存食として持って行けますよ。





おっ、携帯食料かな。





次に値打ちものの魔導書が二冊、
これは一冊50ガメル相当で換金できます。





やった……





あとこの部屋で調べられるのは収納棚ですねー。





じゃあ棚を見てくよー。
2d6 = [4,4] = 8





では、使い古した収納棚のひとつに、
ラフィーナはヒーリングポーションをひとつ発見します。





こんな場所に放置されてたのに、まだ飲めるのか?





まあ、大丈夫なんじゃない?
(と言いながら鞄の一番下に仕舞い込む)





ここの扉はあいつらが出ようとしてたやつだけか?





標本室から出る扉は奥のひとつだけですね。
あ、それと先ほど乗ってきたワープポータルは一方通行なので、あそこからは戻れません。





……どうしよ





とりあえず探索かなあ





……分かった、探索してみる





標本とかちょっと興味あるけど……
2d6 = [4,4] = 8





ではナロードが収納棚をガサゴソやっていると、表面に淡く光る小さな方陣が刻まれた、掌大のガラス球を発見します。
球の内部にはこの館の廊下を模したようなミニチュアが浮いています。





さっきのワーポタと同じ模様か?





そうですね。それと同じ文様に見えます。





なら、ガラスの中身的に廊下のテレポーター関係の魔法かな?





そして、【センス・マジック】を使うまでもなくこのガラス球には魔法がかけられていることが分かります。





しかし、かけられているのはこれまでの魔法と違い、駆け出しの魔術師でも簡単に使えそうなレベルの魔法です。





ここに来て簡単な魔法? なぜだ





うーん





……【ディスペル・マジック】、する?





なるほど、ディスペルでオンオフを切り替えるスイッチのような機能かもな





あ、それありそう!





じゃあ行使……。
2d6 = [6,4] = 10





成功、だよ。





はい。
ではかけられていた魔法の達成値を抜いたので、
ガラス球にかけられていた魔法の効果がなくなり、表面に刻まれた方陣の色が失われます。





と、同時に館の全体がゴゴゴゴと音を立てて揺れ始めます。





うわわ!





なんだなんだ!?





もしかして、扉のテレポーターが消えて廊下が正しく繋がったのか?





(揺れが怖くて縮こまっている)





数秒して揺れは収まりました。
少なくともこの部屋には変化は見られません。
どうします?





扉から廊下に出よう!





廊下とは限らないがな





けどそれしか行くとこないしなー





とりあえず扉を調べる!
2d6 = [1,3] = 4





罠も鍵もかかってない普通の扉ですね。





よし、開けよう!





扉の先には先ほどと同じような廊下が伸びており、逆トの字のような形に直線と左折でできています。
ちょうど前回の廊下とは逆に曲がっている形ですね。扉も奥と左折の先の両方にありますよ。





左から、行く?





そうだねー





一応、調べてからだな
2d6 = [3,1] = 4





これもオーク材で作られた何の遜色もない扉です。
罠や鍵の掛かっている様子もありません。





じゃあ開けます!





では、扉を開けたラフィーナは書斎のような部屋に出ます。
部屋の中央奥には豪奢な書斎机があり、周囲を背高の本棚が囲っています。
盗掘団によって荒らされた形跡はなく、部屋のなかはきれいなままです。





(目を輝かせる)





ナロ君、探索よろしく!





ん、うん。探索する





2d6 = [6,5] = 11





おお!





高い!





やーるじゃん





では、ナロードは本棚から目当ての書物、
『モウレンアンドカイネズ・フェイスフル・ハウンド』
を探し当てます。





依頼の品だ!





とりあえず目標は達成したな





それから、
ナロードは書斎机に散らばる本が空間魔法の秘術について書かれた貴重な書物であり、
全部で200ガメルの価値があることを皆に説明します。





私物にしたい……





マリーカちゃんも欲しいって言ってたし、
少しくらいなら持っていっていいよね





そうだな





持っテイク(英語的ダジャレ)。





……





……





(無視して)さて、どうしますか?





さっさと帰ろうぜ。ブツ取ったらこんなとこおさらばだ!





お前が盗賊みたいだな(笑)





さっきの廊下の先の扉から帰れるかな?





テレポーターなくなったっぽいし……いけそう





じゃあ本持ってゴー!


