管理長はあざ笑いながら
管理長はあざ笑いながら



ばかばかしい、
泥棒の話を信じろと?





1か月前に泥棒が入った時に、
あなたは防犯のために
保管倉庫を移動しましたね





それがなんだ?





ジョセフの命令で再度、保管庫へ潜入し貴金属を盗もうとした泥棒ですが





泥棒は保管倉庫の場所が移動していることを知らず、管理室に迷い込みました





そこにあなたが来たのです。泥棒は隠れて、あなたの動きを伺っていたんです。





泥棒の話など聞くに値しない、私をおとしめようとしているのか


しかし、フェリックスは一つ一つの
事実を積み重ねていく。



ではお伺いします。以前キーホルダーが盗まれたか聞いた時に、あなたは『高価なキーホルダーは盗まれていない』と言っていましたが





そのキーホルダーがなぜ高価な
キーホルダーだと分かったのですか?





そ...それは





それはあなたが貴金属が盗まれたか聞いてきたからだ。





私はキーホルダーと
言っただけです。キーホルダーは貴金属でしょうか?


その問いに管理長は顔色を変えた。
フェリックスは追い打ちをかける。



そのキーホルダーを見たからではないですか?新月の夜はとても暗いです





その中できらりと
光る金のキーホルダーが目印だったのでは?





!?


空気が重くなり、管理長の表情は言葉を失った



泥棒が語ったことと、金のキーホルダーを知っていた事、これらは証拠となるでしょう。





...





ちなみに、
その泥棒は何も盗まずに
逃げたのだ





盗んでこなかった事に腹を立てたジョセフが、牢屋にいれたのだ





ど、泥棒がいた...だと...


つづく
