その2人をずっと物陰から見守っていた美咲は力尽きたように漏らした。
その2人をずっと物陰から見守っていた美咲は力尽きたように漏らした。



……良かった


それには敬一も同意する。



本当にね。一体何回飛び出そうとしたかわからないよ……


そう言う彼はしかし今にも笑い出しそうな表情だ。



それ本気で言ってる?





酷いな、旗仲さん。本当に俺信用されてないね





貴方を信用する位なら形の無い占いとか信じた方がよっぽど有意義だからね





へぇ、俺より占いの方が信じられるって?
旗仲さん、女の子らしい事も言うじゃん





余計なお世話!


言いながら睨む美咲に相変わらず敬一は怯まないで微笑んでいる。



余計な一言多過ぎるんだよね。睨んでも笑うし本当に嫌い


そんな彼に思わず美咲はそっぽを向いた。



それじゃ、合流しよっか。
無事解決してくれたみたいだし、囃し立ての1つもしてやらないとね


言いながらさっさと歩き出す彼の後ろ姿を再び美咲は睨み、仕方なく追い掛けた。



見届けるって言ったもんね


高校で初めて仲良くなった友人が……これからも笑っていられるようにと願いながら。



ヒューヒューお熱いね、御2人さん


2人の世界になっていた結月と明彦に笑顔で敬一は割って入る。



ただここは道の真っただ中だから……もうちょっと考えた方が良いと思うけどね?


珍しく敬一に乗る気になって美咲は続ける。



!





!


敬一と美咲の言葉に明彦と結月は真っ赤になりながら大慌てで手を離した。



まぁわかっていた事だけど……結局2人の世界に入るなら俺達要らなかったんじゃない?
なーんて


敬一がそんな風に言うと思った以上に力強く結月と明彦は首を振った。



ううん! ミサちゃんに相談に乗って貰ったからわたしは勇気が出せたし……





ケイが話を聞いてくれたから俺も行動できたんだ


その後、2人の声が重なった。



有難う、ミサちゃん





有難う、ケイ


それに美咲ははにかみながら返事をする。



えへへ、そんなように言って貰えると……すっごく嬉しいな。相談に乗って良かったって思うよ





ま、お礼を言われて悪い気はしないかな


敬一も穏やかに言いながら口元には笑みが浮かんでいた。



とはいえこれからも多分迷惑を掛けると思うが……





その時は又お願いします!


明彦の言葉を結月が引き取る。



はいはい、仕方ないな。又協力位はしてあげるよ





ユズちゃんの力になれるなら嬉しいから……勿論協力は惜しまないよ


同じような事を言いながらも……全然違う対応を敬一と美咲が取って応じた。
それに結月と明彦は少し困ったようにしながらも……嬉しそうに頷いたのだった。
