___逃げるとも思わせないぐらいに、彼女はそれ程までの毒を僕に残していった。



そうやって、ずっと繰り返していくの。





…塔の下から逃げればいいじゃない。





…そうだね。





でも、僕は逃げない。





否、逃げられない。


___逃げるとも思わせないぐらいに、彼女はそれ程までの毒を僕に残していった。



僕の元に残った彼女の長い髪が、鎖のように僕をその場に縛り付けるのさ。


___甘く狡いその髪(言葉)に、君を望まずにはいられなくなった。



だからずっと繰り返して、僕の鎖も増えて、


どんどん埋まって息ができなくなって、
…___息すらも、君の吐く二酸化炭素(麻薬)でいっぱいにして欲しくて、



そして鎖で身動きが取れなくなった僕を見て“また”彼女は言うの。





『君のせいだ」って


