


や、ハロルド





…





そうかしこまらないで?
今日呼んだのはそんなに固いものじゃないし





えっと…





あのね、君が毎日ボクの提案したメニューをこなしてることは知ってるよ!
体つきでわかるからね~





そ、そうなんだ…?





だから、そんな君に初めてのお仕事…





動物の暗殺、だ…





じゅ、十分…重圧あるような…





あはは、野生の動物は感覚が鋭い。早く動く練習になるだろうし…まあ…





逃げられたら最後、自分が死ぬと思って必死で…





ま、待って…!





おあ!な、なあに…?





動物…ほんとに…殺すんだよね…





…





…





え…!?





ちょっと、可哀想で…俺…





…





…あ、あはは…え?
そうか、それもそうか?初めてかい?虫も殺したことないようなこと言うんだね…
君、もしや覚悟はあるのに踏み出せないでいる?





いや…人間みたいに欲塗れの物体なんかが、毎日必死に生きている動物を殺める権利なんて





ちょ、ちょちょ!ストップ!





…?





君の中のカースト、動物>人間なの?





…?そうだけど





…ええ……それは予想してなかった





…えっと、じゃあ、今から大事なことを訊くし、教えるから、よく聞いて?





う、うん…





君はベジタリアンかい?





…いいや





肉は動物から出来ているのは知ってるね?





…うん





じゃあ、毎回心を痛めて食べているの?





…うーん





今殺そうとしている動物だって、食べられている動物だって、結局は同じなんだよ?必死に生きている
今だけ可哀想なんて、それってエゴだよね?





う…





まさかそれもわからずに人間を殺そうとしたのかい?
必死に生きている人間はどこにだっているよ、君だってそうだ。生きるために、殺すんだ





うん…





…可哀想って思うことは決して悪ではないよ。でもね、この場に置いて





慈悲は必要ないんだよ





…ごめんなさい





…君が本気なのはわかってる。だからボクもそれに応える
うん、これはそのための練習だ
殺すことに、慣れるための…





幸い、時間はある方だからさ…





…





あ…大丈夫だよ。これで見限りはしない。ボクは感覚がマヒしていたからね、考慮できなかったんだ…





良かった…





さ、気を取り直して…
ターゲットになる動物の巣は調べておいたから、近づいたら用心して歩くこと。そういうことは教えてあげるからね!
後は…





あとは…?





ま、今回は傷を付けただけでもオッケーにしてあげる。初めてだしね!





は、はいっ





ちゃんと、殺す覚悟持って臨むんだ。いいね?





…はい


