バックパッカーの安田酢太郎はいつも寝る前に、星を見ながら今日一日を振り返り、明日はどう生きようかと考えます。
明日はどんなに酢に出会えるか、どんな素敵な出会いがあるか、どう生きていくかなどを考えながらいつも通り目を閉じました。
バックパッカーの安田酢太郎はいつも寝る前に、星を見ながら今日一日を振り返り、明日はどう生きようかと考えます。
明日はどんなに酢に出会えるか、どんな素敵な出会いがあるか、どう生きていくかなどを考えながらいつも通り目を閉じました。



すやぁ~~


安田は夢を見ます。
座敷のような場所で着物を着た老人が一人。
安田は魅入られるように老人に近付いていきます。よく見ると老人の手には美しく輝く刀が握られていました。
足元にはいつの間にか血まみれの死体が幾つも転がっています。美しい刀はよく見るとぬらりと赤く、このままではいけないと思いながらも安田の足は止まりません。
そして遂にその刀で安田はバサリと切られてしまいました。
血が噴き出し倒れた瞬間、安田の耳には声が聞こえます。



我が身を求めよ。さすれば鬼を退治しよう


そこで安田は目が覚めました。
最近毎晩このような夢を見ます。
夢と分かりながら切られた感触と嫌悪感は残ります。



SAN値チェックです
成功で0、失敗で1です





安田 酢太郎【SAN値チェック】 ⇒ 失敗


かほりはいつも通り朝早くから収穫や手入れ、発送の準備を済ませ、朝食を食べていました。
テレビではどんたくに関するニュースや、最近美術館などで刀がいくつか盗難に遭っているようなニュースが流れています。
突然電話がかかってきました。



トゥルルルル。トゥルルルル


かほりは誰からかかってきたのかとスマートフォンの画面を見ます。
開発会社で働いていた頃の同僚からです。



ちょっと出たくないけど……しょうがないな





もしもし?





もしもし?
ああ~、元気にしてる?
かほりちゃん久し振り~





久し振りです。何か用ですか?





たぶん誰か分かってないw
大丈夫?


電話先の人物が誰か分からず、かほりは話をしながら必死に思い出そうとします。



農業してるって聞いたけど、最近どうなのかなと思って





う、うぅ~ん、あ、まあ……ハイ!





誰だっけ~?





そうか、大変そうだね





知り合いに聞いたんだけどさ、かほりちゃんて前剣道とかしてなかった?





学生の頃、剣道部でした





刀とかって詳しかったりする?





刀そのものには詳しくないですね
所詮、竹刀なので





普通そんなに勉強とかしないものだしね





いや、ちょっと、頼みたいことがあるんだけど


元同僚は、不意に安田酢太郎という知人が変な夢を見て悩んでいるというお節介な話をしてきました。
もし時間に余裕があるようなら、一度会って話を聞いてみてくれないかということでした。



じゃあ後でメールで送るから


そう言って電話は勝手に切られてしまいました。
たまたま何となく話した夢の話が発展し、安田は昼頃、ガレイ市という街の喫茶店に来てくれと呼び出されました。
同じようにかほりも呼び出されていました。
安田がその喫茶店に行ってみると、多少不満そうな顔をした女性が一人座っていました。
知人から聞いた情報の限りでは、この女性が相談相手だろうと思いました。
安田とかほりを誘った人物は「二人で話をしてね。わたしちょっと忙しいから」と連絡が来たきり姿を現しませんでした。



はじめまして
山ノ下と申します





はじめまして、安田です
安田酢太郎と言います


かほりは、安田が酢を求めて旅をしているバックパッカーであり、ナメクジを持ち歩いているということを元同僚から聞いていました。
安田は、かほりを何か知識を持っているのではないか、夢を解決してくれるかもしれないから会ってみないかと紹介されていました。



もう聞かれてるかも知れないんですけど……なんか、最近見てる夢を解決してくれるって聞いて来たんです





正直言って~……夢に詳しい訳でもないですし、お話を聞くのが精一杯かなと思うんですけども、もしよければ話は聞きますよ
ちょっとは時間あるので





何かすみません。時間大丈夫です?





夕方からゴハンの支度とかしないといけないから、それまでなら





話を聞いてもらえるだけでもありがたいです


安田が繰り返しみている同じ夢について話を進めていく内、過去に様々な経験があるかほりは、これもそういった事象に関係しているのではないかとなんとなく感じました。
ただの悪い夢ならよいが、二人で調べてみようかという話になりました。
かほりはとりあえずスマートフォンで調べてみることにしました。



どんな夢でしたっけ?





暗闇のなかにおじいさんが座っていて、足元に血まみれの死体……日本刀だと思うんですけど、刀を持ったおじいさんが近付いてきて……で、最後切られるんですよ
抗いがたい力で……





夢、おじいさん、死体、刀……検索!





何かブログとか無いかな





山ノ下 かほり【コンピュータ】⇒ 成功


かほりは偶然『夢辞典』というサイトを発見しました。
刀で切られる夢は吉夢、という内容でした。
ですが安田から話を聞いた限りではよい夢だとは思えません。



これ以上調べるならば、あとは図書館とかがいいんじゃないですかね
大きな都市なので警察署とか病院とか大学とか役所とかいろいろ揃っています





言うて夢の話なのでどこかに訪ね歩くのもあれかなと思うので、近くの図書館でも行ってみます?





そうですね


安田とかほりは図書館に向かいました。
この街の図書館は結構大きく、様々な資料があります。
あたりをつけて探したとしてもそこそこ時間がかかってしまうかもしれません。



という訳で、どこで調べたらよいか確認する為に【知識】を振ってみましょうか





山ノ下 かほり【知識】⇒ 成功
安田 酢太郎【知識】⇒ 成功


二人は資料をすんなり見付けることができました。
刀について調べたところ、それは太刀であることが分かりました。



太刀? デケーヤツじゃない?





長いヤツ


屋敷や着物など、安田が覚えている限りの夢の情報と照らし合わせると、鎌倉時代の高貴な身分のものだろうとあたりがつきました。



鎌倉と言えば……武家諸法度!





ピンポイントww





畳の部屋に死体がゴロゴロとか、武家の話じゃないですか?
御武家様の話じゃないんですかね。遡ったら先祖にいるとか?





安田 酢太郎【図書館】⇒ 失敗
山ノ下 かほり【図書館】⇒ 失敗


安田とかほりはさらに調べようとしましたが、上手くいきませんでした。



本読むの苦手……





何かお探しですか?


近くにいた司書さんが、本を見て目をしょぼしょぼさせている二人に声をかけてくれました。
