いやー時間が元に戻ってよかったのう！

あんなバグ、初めてでしたけどね……。

そのバグという現象を解明させ、元に戻すのが我々神隠しにあった人間の使命なのか……？

かもしれんが、まぁとりあえず固く考えんでもええじゃろう。

……そういえば、私思ったんですけど
この国の私以外の人は、バグの事に気づいてないみたいなんですよね。どうしてでしょうか？

逆に考えてみるんだ。
きっと貴方にはバグに気づける力が備わっているのだろう。嬉しい事じゃないのか？

いえ…バグが起きている人とかを見ると、どうも嫌というか複雑な気持ちになるんです。
本当なら私もバグに気づかないままバグに襲われてれば良かったなぁ……。

そうか……複雑なんだな。

くよくよせんで、次のバグもわしらが解決してやるから安心せえ！男二人に任せるぜよ！

おい、お前が勝手に男二人って宣言するな。まぁ救うつもりだが。

ここが鍛冶屋の工房ですね。以前は無限に鉄が増えていくバグがありまして…

ふ、増えてる～～！！？

おい大変だ、手伝ってくれ！このままじゃ工房が鉱石まみれになっちまう！！

決して純度は良くないが、大量生産できるじゃないか。

何言ってるんですか、炉の中まで鉱石が入っていったら溶けだした鉱石で足元がドロドロのあっちっちですよ！？
(鍛冶屋の店主さん談)

こりゃ怪我せんように気をつけんと……
どこから生まれたんじゃこの鉱石！

あの机に置いてあったのが最初…って、机見えるかお前ら？！

こうなりゃ怪我も承知ぜよ！！

龍馬さん！！

おい馬鹿、肌が切れるぞ！！

最初にあった鉱石は…これじゃあ！！
止まれぇぇぇぇ！！

はぁ、はぁ…止まったがか？

りょ、龍馬さん……なんて無茶な事を……、お怪我は大丈夫ですか？！

これくらいどうって事ないぜよ。かすり傷程度じゃ！

どう見ても切り傷だらけじゃないか。

すまないねぇ旦那、お詫びと言っちゃなんだが装備をサービスして無料で作ってやるよ。

おお、刀ぜよ？それとも銃が？

旦那のような、はだけた服の人にピッタリな
胸当・籠手・臑(すね)当のセットだ！

防具か。この際作ってもらえ、お前無防備過ぎるぞ。

まっことありがたいぜよ～！！

防御力が上がって、これで何があっても怪我しませんね！

ま、わしにはこの愛刀があるしのう！攻撃面は問題ないぜよ！

ただ……この大量の鉱石から作るから、性能が良くないのは我慢してくれよ？

私はそっちには詳しくないが、やはり、鉱石の質で動きやすさが変わるのか？

うーん、追加効果がつくかつかないか、ぐらいかねぇ。

追加効果って何ぜよ。

『炎に強い』とか『雷属性』とか特別な効果が表れる装備があるんですよ。鉱石の質で現れやすさが変わりますけど。

炎に強いのは分かるが、雷属性とは？

まぁ簡単に言やぁ雷を込めた攻撃が出せるとか、そういう事が出来るんだ。

自然の力を味方に……！そりゃあまっこと頼りになりそうぜよ！ほいたら早く作るぜよ！

あいよ！追加効果には期待しないで欲しいが、少し待っててくれ！

属性でこの町は守られてきたんだな。
鍛冶場の男は炎に強い物を使い、
野外活動をする人々は雷や突風などの自然災害に耐えられる属性の装備を使う。

そういう事です！

楽しみぜよ～！

もう回復したのかお前は…

ピンピンぜよ！

臑当には何も付かなかったが、胸当に炎耐性、籠手に風属性が付いたぞ！
運が良かったな！

よっしゃあ！風の拳が撃てるぜよー！

おめでとうございます！

そのうち、性能の良い物に取り替えたりするのか？

いや、折角作ってもらった装備じゃ。しばらくはこのままでいくぜよ！

まぁ、我々にはここで使えそうな金が無いしな…。

いや、お金なら手に入りますよ。
バグを解決したお礼としてもらえばいいんです！

いやいや、わしは恩を返したいだけじゃ。そこまでせんでもええぜよ。

ここで生きる以上、もらっておいてもいいんじゃないか？既に彼女の家にタダで泊まっているんだろう？お前は。

そ、それは言わん話ぜよ……