この世の終わりのような顔をする主を見て、花蓮と賽もこの世の終わりを見たような顔になる。
そしてとぼとぼと足音が聞こえてきそうな様子で煌炎がこちらにもどってきた。



おいおい、こりゃぁずいぶんアメリカンなりの会場じゃねぇか。





煌炎様、あちらに受付があるようですよ。





ちょっくら行ってくらぁ。





まだ若干トリップしてるけど大丈夫かしら、お兄さん。





ん?
おまえも大会参加者か?
ぎりぎり受付に間に合ってよかったな。
エントリーには名が必要だ。
お前の名は?





もみじ饅頭。





煌炎様・・・全く話を聞いていない様子ですね。





ふっ・・・もみじ饅頭か、おかしな名だな。





・・・もみじ饅頭が名前だって信じてるあの人も大分おかしいと思うのだけど、間違ってます?





・・・反論しません。





これでエントリーは完了だ。
大会が始まるまで近くで待機してるといい。





・・・もみじ饅頭・・・?





・・・?
あぁ、参加賞の配布は大会終了後だぞ。
では、検討を祈る。





―・・・・・。





・・・・。





・・・・。


この世の終わりのような顔をする主を見て、花蓮と賽もこの世の終わりを見たような顔になる。
そしてとぼとぼと足音が聞こえてきそうな様子で煌炎がこちらにもどってきた。



・・・テール、もうやる気がそげたわ。





テールじゃ尻尾ですよ煌炎様。
そう言わず、頑張ってやる気出してください。





無理。





と、とりあえず、対戦表でも見に行きましょうよ、ね、ね?


意気消沈した煌炎を引きずり、賽と花蓮は対戦表を見つける。



煌炎様の名前はもう載ってるのっでしょうか?
・・・やはりないですね。





あるわよ。





えっ、どこですか?





これじゃない?





ああ、そういえば。


見るとCブロックと書かれたところに、書きたての見事な文字で『もみじ饅頭』とあった。



受付で先走ってもみじ饅頭って言ってましたね・・・。





おっ、兄ちゃんたち賭けしてかないかい?





あはは・・・、対戦表を見に来ただけでして。
あ、Cブロックでは誰が強いとかお聞きになったりしていませんか?





んー、Cかい?


賽が尋ねると、男は首を振りながら鼻で笑う。



Cはどれも同じもんさ、名の売れた奴はいねぇ。
今大会なんてもみじ饅頭なんてふざけた名前の奴がいるくらいだ。
きっとどんぐりの背比べってところだろうよ。





あなたも名前を信じてるのね。





何かいったかい?





いえ、何も?





総合的に言えば、レートが高いのはやっぱり幕府直属の刀狩り集団の長、黒兼丸(クロガネマル)だろうね。





黒兼丸?





ああ、こいつは去年の優勝者さ!
やることは殺人の一歩手前で危なっかしいやつなんだが、腕っぷしは確かだから人気があるんだろうな。





・・・。





ふっふっふ。
しかしだな、今大会はもう一人俺の押しがいる。
そいつは新参者なんだが、もう名前を聞いた奴は飛び上がって驚くほどのやつだ。





新参者ですか?





そうだ!
聞いて驚くなよ。
なんとあの狐王皇家の長男である風虎様が参加するんだよ!!!!





!!!


