関門橋にたどりついた煌炎一行は、その情景に目を見張った。
資源の枯渇により生態系に害なすものは条例で廃止され、文明の利器が希少品となったこのご時世に、たくさんの車や立派な橋を目にして驚かないはずがない。
あまり驚いた様子を見せない煌炎でさえも、ここまでの台数の車を見たのは初めてだった。



いきなり古・近代的な景色だなこりゃ。





橋を壊さず残したのは移動手段のためで納得できますが・・・、本来車のような文明の利器は廃止しなければ条例違反なのですが・・・。





わ・・・私車なんて初めて見た・・!!


関門橋にたどりついた煌炎一行は、その情景に目を見張った。
資源の枯渇により生態系に害なすものは条例で廃止され、文明の利器が希少品となったこのご時世に、たくさんの車や立派な橋を目にして驚かないはずがない。
あまり驚いた様子を見せない煌炎でさえも、ここまでの台数の車を見たのは初めてだった。



取り締まる立場の役人は何をしているんだか・・・。
これも幕府が廃れている証拠というべきか・・。





・・・そういえばお兄さんたちの口からよく幕府というワードが出てくるんだけど、そもそも何を目指して旅してるの?





・・・・そういやおたく、何も考えずついてくるとか言った頭お花畑やろうだったな。





なっ!!!!
間違ってはいないけど!!!!!
その言い方はひどいよお兄さん!!





そうでしたね。
花蓮さん、私たちは倒幕するために東京を目指しているんですよ。





と、倒幕!!??





いちいちうるせー・・・。





いや!!!うるさくもなるよ!!
そんな世の中がひっくり変えるようなことなんだし!!!





まぁ、驚くのも無理ないですね。





私たちとしてはうれしいことだけど、一体全体どうしてそんなことになったのよ。





まぁ、話せば少々長くなるのですが。


煌炎様の家系は資源の枯渇を問題視し、その対策として安定した江戸時代のような世の中を築き上げるために条例を制定して幕府体制を改めて作り上げた一家でした。
その家系は、安倍晴明を祖先にもち、多大なる法力を受け継ぐ狐王皇家。
この一家は代々幕府の征夷大将軍として実験を握っていました。
そして特に煌炎様の父君は先祖返りが激しく、膨大な法力を持っていましたが、それ故に短命であったのです。



・・・私はもう永くない。
この世の行く末が不安ではあるが、幸い私には自慢の息子のお前たちがいる。





・・・親父。





お前たち4人、皆力を合わせてこの儚い世を崩れないように支えてもらいたい。





・・・。





まずは、風虎(カゼトラ)。
長男として・・・・。





あー、東京を任せるのはパスね。
自分で言って悲しくなるけど、一番やらかす自信あるわ。





そういうと思ったよ。
本当は弟たちに地位を譲ってやりたい弟思いの長男よ。





ばっ!!!
ち、違うっての。
ったく、調子狂うなー・・・。





お前には西方の守護の四神、白虎として、広島県の方に向かってもらう。





・・・りょーかい。
あんま期待はしないでほしいが、任せときな親父。





うむ。
そして長男の代わりに幕府の中心である東京を、東方の守護の四神青龍として、青藍(セイラン)お前に頼む。





はい、承知いたしました父上。
兄上にはかないませんが、善処させていただきます。





そして北方の守護の四神、玄武として北海道に向かってもらうのが玄奘(ゲンジョウ)お前だ。





りょーかい♡
ただ、寒いからお肌が荒れちゃわないか心配だわ。





多少は我慢しなさい。
・・・最後に、南方の守護の四神、朱雀として沖縄に行ってもらうのが煌炎だ。





・・・めんどくせぇー。





面倒くさがるが、断らないのがお前のいいところだよ煌炎。





・・・・。





そして煌炎。
お前にはもう一つやってほしい役割がある。





まだ何かあんのかよ。





・・・人が治めるのだ、人は時には過ちを犯し、世が荒れてしまうかもしれない。
その時には朱雀の再生の力を持って幕府を倒幕し、立て直してもらいたい。





・・・兄貴と戦えって?





そう気負うな。
もしもの話だ、真面目で温厚な青藍に限ってそのようなことはないだろう。





そうねー♪
ど天然な藍ちゃんに限ってそんなこと絶対ないわね。





げ、玄奘兄様!!
天然などではございません!!





以上だ、頼んだぞ。





りょーかい。





承知しました。





任せてちょうだい。





・・・わーったよ。





そしてこれだけは肝に銘じておくのだよ。
自身のせいで罪のない命を奪うことになるのは人間として恥であると。
行動を起こす前にしっかり考え、狐王皇家として責任をもって生きてゆきなさい。


