男の子の姿をした人形が現れた。
彼はエマの背中を見て、私を見上げる。
他の人形は一緒ではないらしい。



ルーシー





あら、あなたは?


男の子の姿をした人形が現れた。
彼はエマの背中を見て、私を見上げる。
他の人形は一緒ではないらしい。



エマと何を話していたの?





私の話





エマはルーシーの人形だったんだ





うん





嘘だったら、どうする





そんなわけないわ





自信があるんだね





だって、エマは私の人形だから





………


私は男の子をジッと見る。
私の人形ではない気がする。
だけど、



あなたのことは、見覚えがあるのよね





そりゃそうだ





?


男の子はニッと笑った。



ここの人形たちは嘘が大好きだから気を付けなよ





ええ





あ





?





あなたは、もしかしてポンタ?





え?





エルヴィンが持っていたポンタね


幼いころエルヴィンが連れていた人形がいた。
男の子が人形を持つのは恥ずかしいと言いながら、エルヴィンは私と人形遊びをするためにこの人形を連れていた。



………正解





変な名前だよね、ポンタって





私のエマとお人形遊びをしたわね


小さなテーブルに小さな椅子。エマとポンタの為の椅子も用意して、四人でお茶会ごっこをしていた。
エルヴィンは私の遊びに付き合っていただけで、本当は別の遊びがしたかったのかもしれない。



こんなに早く気づかれるとは思わなかったよ





まぁ、エマを思い出したのだから一緒に思い出せるのかな





へへへ





ルーシーと話をしたら、昔を思い出したよ





そう?





エルヴィンは君の為だけに僕を大事にしていたんだ





だから、エマが火葬されたときも一緒に火葬した





エルヴィンの意思で





ああ





エマが寂しくならないように





そして、僕がエルヴィンの側にいれば、きっと君がエマを思い出して悲しむから





………





あいつは、僕にごめんと告げて炎の中に入れた





エルヴィン………





あいつは優しい奴だよ





知っているよ。でも、今日はおかしかったの





今も一緒なんだ





うん、だから心配。早く帰ってあげなきゃ





………ルーシー





?





何でもないよ。





ルーシー





あそぼー





あそぼー





はーい、待っててね





他の人形とも、お話してあげなよ





うん





君と言葉を交わすと、心が救われる気がするんだ。彼らも癒してあげて





私で良ければ





ポンタは、私が元の場所に戻る方法知ってる?





ごめん、知らないよ





そっか





でも、君は、その方法を見つけ出すよ





え?





君はここに居ちゃいけないから





………


