そこには一枚のいかにもエクセルで作ったようなチッケトサイズの紙切れが落ちていた。



はぁ...はぁ..。





この辺でいいかな~、とうちゃーく!





いったいなんだっての...。急に確かめたいことがあるって言ってさ...。





虹の麓にはなんかあるって言うじゃん。だから探しに来たの!





ええ...。そんな迷信信じてるのせいぜいお寿司の卵好きな味覚の人くらいしか...ん?なにか落ちてるぞ?


そこには一枚のいかにもエクセルで作ったようなチッケトサイズの紙切れが落ちていた。



んーと、なになに..「虹色パラダイスご招待券」...?


そのとき、不思議なことが起こった!ファンシーな効果音とともに謎の女性が現れた!(効果音は文字にするならめぴょーんという感じである)



おめでとうございまーす!!!!!!!!!


食い気味にふたりの正面で叫ぶ謎の女性!



え???ナニ???誰???





おめでとうごだいませうー!


100均にありそうな陶器の置物を地面にたたきつける知らない女!



ちょっっなにこわい





おめでとうござ...ござ...マルコメエックス!!!!


あたりにいたコアジサシやオオバタンを逆さに埋めていく不審者!



ねえ!!!ナニ!!!止まって!!!





はっ、す、すいません!コホン、あなたたちを虹色パラダイスにご招待いたします!わたしは案内人兼オーナーの虹ガールです。





やっぱり虹の麓には何かあるんだ!わーい!満足!





ほんとに探しに来ただけだったこいつ...。で、虹色パラダイスってなn





はーい2名様ご案内ー!





聞けってー!!!


ずるずると濁った油のようなてかてかしたスライムが三人の体を包み込み、虹めがけて飛んでいく!



なにこのいやな移動法..。


虹に近づくと、虹の一部はドアのようにぱかっと開いた。プラス知育のような安い質感である。



にじって開くんだねー





つきましたよー





こ...これは!





ほんとに虹一面だ!


そこに広がる光景はまさしく虹一面、しかし虹一面と言ってもいろんな色のものがあるわけでは無く、虹色で塗りつぶしツールを使ったような後継が広がっていた!



虹色パラダイスは虹色一面の夢のてーまぱーくなんですよー。虹のアトラクションに虹色の食べ物、虹色の景色!余すこと無く虹色を楽しめます!





つなぎ目らしきもの一つ見当たらない...。歩くのだけで大変だぞこれ...。不便すぎる...。





わたしは把握していますけどねー。今回は特別ご招待ムなので好きに遊んでいいですよー。





まぢか!せっかく来たんだしあそ...あだっっ!


ごつんと勢いよく虹色の空間に体をぶつける赤2号!



あ、そこは壁ですよー。





ぜんぶ同じだから全然わからん...。どこをどう進めば...いでっっ!





あ、それは欠けたコーヒーカップですね。





こうなったら手をつたって...ぎょばッツ!!





あ、それは尖った岩です(笑)





何で尖った岩があるの!!!はあ...目もちかちかしてきた...。





あ、もしかしていろんな色があるタイプの風景のほうが好みですか?じゃあ変えますけど。





できるんなら最初からやれや!!!!





そんな怒んなくても...ぢゃあいきますよー。


彼女が虹色の空間をぺちぺちと4回ほどたたくとあたりはカラフルな遊具であふれた色分けされた世界へとかわった。



なんか空微妙な色してんだけど...。





刈安色です。





ていうか遊具へんなものばっかりだねー。





おすすめは車輪の燃える木製コースターです。





乗るかんなもん!はあ...なんかおなかすいてきた...。





じゃあお食事をどうぞー。


レストランに案内されると、コトンとたくさんの肉に魚料理や果物が運ばれてきた。



こ...これは!





予想はしてたけど虹色だ!!!!!


その食べ物は先ほどの塗りつぶしツールを使って塗ったような虹色をしていた。



すごくおいしいですよー。





はっきりいって視覚から入る情報が食欲を大幅にそいでいる。なんとかならんのこの色。





いいから食べてみてください!


赤2号の口めがけて渾身のストレートがきまる!



ああー!大丈夫か!





もごご...これ...美味しい!すごいおいしい!





あなたも!


自我野郎の口めがけて渾身のシンカーがきまる!



もごごッ...た、たしかに美味い!いままでに食べたことの無い美味さ!





でも圧倒的にビジュアルのせいで脳が拒否してくる!





おいしいけど...ウグッ..はきそう...。





食べてる心地がしない...もういい...。





もういいんですかー?





帰りたいから帰らせてくれない?さっきいたところに...。





あ、いまは無理ですね。





は?ドユコト?





さっきみたいに移動するには虹が無いと出入りできないんですよねー。もう虹消えちゃいましたし。





何でそれ先に言わなかったの!!!!!おああああどうすりゃいいんだあああああああ





食べ物もアトラクションもありますから大丈夫ですよ~。





矢蛇~!!!このままじゃ気が狂うー!!!!





じゃあ虹作ればいいじゃん。そしたら帰れる。





アイデア大賞!...でもどうやって?





ここに目薬があります。





はい。





おっラああああああああーーん!!!!!





おボアああああアアaしぱしぱするよおおお????!!!!


虹ガールからあふれ出た滝のような涙により虹ができた!



わーい!やった!





過去最低の虹だけど今となっては美しい。





さーてじゃあ扉をあk...ちっさ!!!!





この程度の虹じゃこれが限界ですよ~。





く...ど、どうすれば...





...困ったときの召喚獣!クラリスさんお願いします!





急な原点回帰


まばゆい光とともに昆虫のような羽をもった人魚の風貌の女性、クラリスが現れた!



あら?仕事中だったのに...。どうしたのかしら?そろそろお夕飯の時間よ。窓ちゃんがビゴスを作ってるわよ。





ビゴスってなに...いやそんなことより、斯く斯く云々なんですけど...。





物語って便利だね。





なるほど、わかったわ!任せて!私人体収納術みにつけてるから!





えっなにそれは





じゃあいくわよ。





ちょっ...クラリスさんどこ触ってうわなんだこれどうなってる


クラリスは二人の身体をパタパタと折り紙のごとく折り曲げていく。



えっこれ大丈夫?右腕とか大丈夫?


そして二人は手のひらに収まるサイズまで折り曲げられた。ウケるね。



これで通れるわね!よーしいくわよ!





またのお越しを~。





広げるわね、よいしょっと。


クラリスは二人の身体を元の形に広げていった。



なんかすごい体験したな...身体ってあんなに曲がるんだ。





曲がるというか折られてたけどね。





そういやクラリスさんどうやって扉くぐったの?





収縮縮小魔法使えるからそれ使ったわ。





それあるんならそっち使ってよ...。まあ帰れたからいいか。





トホホ~、もう虹はこりごりだ~い!(チャンチャン♪)





さあ帰ってビゴスを食べましょう。





オチのあとにセリフ被せちゃだめだよクラリスさん...。


君も虹の麓を探してみるといいかもね!



ちなみにふつうに来たいんだったらごじゃっぺ駅から直通バス出てるからそれで来てね。


