休日の女子
休日の女子



ねえ、リーナ?





何でしょう?





最近…サヴァランからの誘い、ちゃんと受けてる?





どうしてですか?





だって…最近週末絶対私と過ごしてるじゃない?あそこまでリーナのこと好きなら、週末なんて絶好のデート日を逃すわけがないと思うんだけど





断ってます





そんなあっさり!





アマンドさんと一緒にいた方が気が楽ですし…何より楽しいですから





そう言ってくれるのは嬉しいけど…





それに…ブリュレさんには、私以外にも沢山いるでしょう。何も私じゃなくてもーー





あなたじゃなきゃダメなのよ!!サヴァランは、本当にあなたの事が好きなのよ?女っ気がないどころか、他人にあまり興味を持たなかったあのサヴァランがこんなに…





他人に興味を持たない…?どういう事ですか?ブリュレさん、あんなに友好的じゃないですか





へ?…あ…そっか、リーナは昔のサヴァランを知らないのね…





昔の…?





ええ。サヴァランね…彼、中学生の時までは凄くおとなしい子だったの。あの通り顔は良いけど、あまり周りを寄せ付けない雰囲気とかあって…いじめられては無かったけど、ちょっとハブられたりしてた





嘘…?





彼の家、キャンディショップでしょ?あそこ結構長く続いてるみたいで、ゆくゆくはサヴァランもそこを継ぐ予定のはずなんだけど…





そう言えば……練習してる様子が全くみられないのですが…





…中3上がってすぐの時、進路のことでお父さんと大喧嘩したんだって。あの時はびっくりしたわ…顔におっきい湿布貼って登校してきたんだもの





どうして、そんな事が…?





あの時のことは、本人もあんまり話してくれないから分からないんだけど…





『ちょっと反発したら殴られた』だって





それだけで…?





それだけで殴ってくる人じゃないと思うんだけど…でも、何かあったのは事実ね。それから、サヴァランは一気に成績も良くなったし、人当たりもすごく柔らかくなった…まるで、吹っ切れたみたいだったわ





…家業を継ぎたくない…とか、言ったのでしょうか…





うーん…やっぱりそうなのかなぁ…





やっぱり?





お菓子作り自体は嫌いじゃないみたいなの。キャンディの新作だって考案してるし、自分でお菓子作って持ってきたりもするし…それもすごく美味しいの





特に、凄く簡単に出来るやつだけど、胡桃のキャラメリゼがすごく美味しくって…!今度またねだっちゃおうかな~って思ってるの!





胡桃のキャラメリゼ…





あ、キャラメリゼと言えば…怪盗キャラメリゼが出てきたのも、ちょうどその頃だったわね…感化でもされたのかしら





……そうですか





ねえ、今度2人でお願いしてみようよ!胡桃のキャラメリゼ!!





……ええ、そうですね。そこまで美味しいというのなら…食べてみたいですし





うふふ、決まりね♪楽しみ~!





豹変したブリュレさん…怪盗キャラメリゼの出現……間違いなく、関係あるのでしょうね……動悸といい、私を好きだと言い張ることと言い……


ーーあなたは、本当に謎だらけですね…
サヴァランさん
ゆめゆめ
『将来の夢は?』
何度聞かれても、何度も同じ答えだった。
変わらないはずだった。
変わってはいけないものだと思っていた。
でも、その期待は
成長すればするほど大きくなった。
未来を担うなんて、そんなことしたくない。
こんな早いうちから決められたくない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
ーー決められた道を歩いて
ゴールで死ぬくらいなら
今死んだ方が
周りをあっと言わせることが
出来るんじゃないのか…?
それなら、俺はーー



あっつ…!!





うわ…焦げてる!!





……ああ…


やり直しだ
Replay?
