――DAY 5――
朝
宿屋『サスリカ』
――DAY 5――
朝
宿屋『サスリカ』



……





邪魔するぜ、シャルロッタ





……来ると思ってたよ


シャルロッタは静かに目を開いて
セミョーンを迎えた。



なあ、あんたは本当に義理堅い女だ。言葉の端々まで逃さないように約束はきっちりと守る





……





だが、もう守る必要はないんだ





詳しく説明している暇はないが、あんたが言われた『黙っている条件』は崩れた





……どういうことだい?





ロッタ、『情報屋』セミョーンは嘘を吐かないぜ。
俺を、信じろ





……息子のためにも、俺に教えてくれ。あんたが交わした約束の内容を、そしてあの紙の意味を


――DAY 5――
朝
樹海前



アダムスキーさん……思い切ったことを、するんですね





たかが石の塊と土を崩しただけだ





でも……それで、どうなるんですか?





お前には分からないだろうな。だが、確実に進んでいる。それだけ分かってればいい


それだけ言うと
アダムスキーは背を向けて片手を上げた。



ああ、そうだ





終わらせてやろうか?





え?





一連の事件を起こした奴を、殺してやろうか?





で……できるんですか?





ああ





明日の昼、樹海にて。
そこで終わらせてやるよ





ど、どういうことですか?





Всякому овощу свое время.(どんな野菜にも旬がある)って言うだろ?





?





最近のお子様はことわざも知らないのか。
『何事にもしかるべき時がある』……今は機ではないってことだ





……なんで今言うんですか?





本当は、勝手にやるつもりだったからな。3年前の話も聞いたんだろう?





そ、そうじゃなくて……





犯人は、アルセニーって人なんですか? それとも、神話生物みたいな怪物なんですか?





……もう、分かってるんですか?





ああ





誰なんですか!!





今聞いたとして、お前に何ができる





それは……





俺ですら、明日の昼までは手が出せない相手だと言ってるんだ。もし作戦が無駄に終われば、もうチャンスはない





……





知りたければ、明日の昼、祭壇跡に来い


