『D・E・V・I・L』



このチャペルからはデモニキュリオの香りがする





言ったお約束は守っていただけますか?





もちろん。
良い余興を見させて頂いたお礼にね。





というやり取りが今から半世紀ほど前にあったようなのです。





という事はこのクリプテックスの暗号は判っているも同然じゃないですか!





僕開けてみてもいいですか!?
こういうのワクワクしますよね~





いにお君。それは君のお誕生日プレゼントとはわけが違うのですよ?





は!僕としたことが!
申し訳ありません。





どうぞお開けになって下さい。
素人の私が触るとかえって壊してしまう可能性がありますので。





そうですか!?それでは遠慮なく…


『D・E・V・I・L』



あれ?おかしいな。
もういっちょ!このこの…





ちょっといにお君そこまで!
おもちゃじゃないんですから。





は!僕としたことがつい…
申し訳ありません。取り乱しました!





うふふ。
どうやら暗号を変えられてしまったようですね。





本当に祖父の話通り、トリッキーなシスターですねえ。





どうしましょう?





そうですね。
申し訳ないですがお客様。





もう閉店のお時間ですのでよろしければお品物が私共が預からせて頂き、





明日、見積もりと共にこのクリプテックスの暗号を解き明かしておく…というのはいかがでしょう?





宜しくお願いします。
明日が待ち遠しくて仕方ありませんね。
うふふ。





はい!お客様のために必ずや僕とアライヲさんでこの暗号を解き明かしてみせます。
骨董商の名に懸けて!!
クククッ!





まあ、頼もしい。
それでは明日の昼にまたお伺いします。
では・





出てこい。





アイアイサー





げへー、あと数秒で脱皮するところだった。
やっぱり娑婆の空気はうめえなあ。





後半ネジがバカになったおもちゃのようだったぞ…





で、アライヲ様。
聞かせて下さいよ。
その話の本当の続きを!





きっとそこに暗号を解くエピソードがあるわけでしょう?
ワクワクしちゃうなあボク。
クククク!





最近、お前もいにお君もそう大差なくなってきていやしないか?


続く
