こうして僕は、ヒロインちゃんに連れられてジュリオ王子の別荘へ。しかし、
こうして僕は、ヒロインちゃんに連れられてジュリオ王子の別荘へ。しかし、



ジュリオ様はお会いにならないと言っています





そうですか……分かりました


現れた執事の人がそう言うのでヒロインちゃんは、すぐに引いた。
かに見えた。



行くわよ





ど、何処にですか!





……ジュリオ王子の部屋の窓の前かしら


どうやらそこに行って、お話をするらしい。
そう僕は解釈した。
だが、友人で僕の大好きなヒロインちゃんの性格を僕は、この時、見誤っていた。
それはジュリオ王子の部屋の前に僕達が来た時の事。
丁度部屋にいたジュリオ王子が僕達に気付いて、さっとカーテンを閉めた。
それに傷つきながらも僕は、



あ、あの、ジュリオ王子、僕、話がしたくて





俺は話すことはない


そう言って取り付く島もない。
どうしよう、そう思っているとヒロインちゃんがそこで、



ジュリオ王子。手伝う代わりに、もしもまた“へたれ”たら、この私を巻き込んだことを後悔させるわよって言ったわよね?





……だからどうした





こうする


そこでヒロインちゃんが、そばにあった大き目の植木鉢を持ち上げる。
僕は慌てて、



ま、待って、ジュリオ王子が怪我をするかも!





知らないわ。散々ねちねちいやみを言われた私の気持ちになってみなさいよ! その分の仕返しはさせてもらうわ!


僕はそう叫ぶヒロインちゃんを必死に抑えているとそこでカーテンが開いて、窓が開き、ジュリオ王子が顔を出した。



俺の別荘が破壊されても困るからな。いいだろう、聞いてやる。手短にな


不機嫌そうな様子に僕は、迷いながらもまっすぐにジュリオ王子を見て、



僕は、ジュリオ王子が好き





……どういう風の吹き回しだ? そこのヒロイナ嬢に何か唆されたのか?





……“親友”だっていて騙して僕にセクハラをしていたのは誰だ


僕が半眼で告げると、ジュリオ王子は沈黙した。
それから言い訳するように、



だってそれはティモシーが俺の事を、恋人としてみてくれないからだ





でもそういった事も含めて僕にきちんと話してくれたら、僕もすぐに気づけたように思うんだ





……それは悪かったな。ごめん





うん、謝ったから許す。それでその、ね、僕、ジュリオ王子が好きだと思うんだ、けど、ジュリオ王子は僕が、もう、嫌いかな? 答えは、聞いていいかな


言葉が途切れ途切れになるのは緊張するからだ。
どんな答えが返ってくるだろう?
そんな気持ちになりながら、僕は答えを待つ。
そこで深々と嘆息するジュリオ王子の声が聞こえた。



俺が、ティモシーを嫌いになるわけがないだろう。……俺もティモシーが好きだよ


そう、ジュリオ王子が僕に返してきたのだった。
