今日は泊まっていかないか、そう僕はジュリオ王子に言われてしまった。
どうしようかと思ったが、そこで、
今日は泊まっていかないか、そう僕はジュリオ王子に言われてしまった。
どうしようかと思ったが、そこで、



実は美味しい、“カナリア堂の焼き菓子”があるんだが、そうか、ティモシーは興味がないのか





ぜひお泊りさせてもらいます





即答か





あ、でも服だけは着替えたい。泥もついちゃっているし





分かった。どのドレスがいい?


ジュリオ王子が意地悪な笑みを浮かべて、僕に聞いてきた。
酷いと僕は思いながらじーっと見てから、



ジュリオ王子の服を貸して欲しい





俺の服? ぶかぶかだぞ?





ドレスよりましだ





……分かった


珍しく素直にジュリオ王子が頷いた。
なんでだろうと思っているとそこで、



代わりに俺の部屋で一緒に寝るんだぞ





あれ? そうだとばかり思っていたけれど、違うの?





……どうしてそう思った





だっていつもお泊りしたらジュリオ王子と一緒のベッドで、眠ったじゃないか。“親友”とはこういうものだって僕を抱き枕代わりにして





……そういえばそんな事もあったし、言ったな


そこでジュリオ王子が遠い目をしながらそう呟いた。
そして僕の別荘の方には連絡はしておいてくれるという。
だからお言葉に甘えて、僕はジュリオ王子の部屋へ行き服を借りるが、



うう……やっぱり袖から手が出ない。しかも片方の肩が出ちゃう





……可愛い





どこが可愛いんだ、聞こえたぞ!





いや、まあ……こんな格好、他の人に見せられないから俺の部屋でよかったな





本当だよ。うう、早く僕の服の洗濯が終わらないかな





明日の朝には綺麗にされているさ





そう信じているよ


僕がジュリオ王子に、ふてくされ名が答えるとそこで、焼き菓子と紅茶、そしてちょっとしたお酒が運ばれてきたのだった。
