【第二幕】
『赤き少女は真の名を捨て、新たな名を授かる』



私は……ベル!


私は老婆に本名を教えた。
きっとこちらの世界ではそうそう無い名前なのだろうが、老婆は笑顔で「そうかい! 良い名前だねぇ」と反応する。
だが、それには理由があるようだ。



アタイもねぇ、あんたと同じ世界出身なんだよ……





え?
どういうこと?





向こうでは『パルサ』って呼ばれとったねぇ、すっかり忘れていたよ
今は『竹内サエ』と名乗ってるよ





どうやってこっちに来たのよ?





さぁ……、竜に殺されたと思ったんだけど、目を開けたらこの世界にいてねぇ





……転生ね





突然頭の中でこの公園に来ないといけない気がしてねぇ
歩いてたらお嬢ちゃんに会ったのさ





あ、の、馬鹿神が……!





私は、これからどうしたら良いの?





同じ世界の誼みじゃ、『地球』に馴れるまでアタイの家へおいでなさい





地球……、この世界の名称ね





うっ!





おなかも空いてることだしねぇ……





待って!
私はこの世界で何と名乗ればいいの?





そうだねぇ
名字はアタイのものを使うとして……





?





『竹内マチ』っていうのは、どうかねぇ……?





たけうち……、マチ……?





アタイにとって、あんたは『待人』かもしれないからねぇ……





ま、まちびと?





昨日引いた『おみくじ』だよ!
ブハハハ!





おみくじ……?
何なのもう……


第二幕 終
