落ち着きを取り戻した野沢はベンチに座った。隣に座っている小斗が背中をさすってくれた。野沢は恥ずかしそうにしている。
落ち着きを取り戻した野沢はベンチに座った。隣に座っている小斗が背中をさすってくれた。野沢は恥ずかしそうにしている。



よしよし





…………ウッ





さて、助けると言ったけど鮫野木くん。具体的にどうするの?


六十部が鮫野木の隣に立って、話しかける。



そうですね。野沢の抱えてる悩みでも聞けたら良いんですけど





ハァ、鮫野木くんちょと良い





何です?





あなたが今やろうとしていることは、本来の目的と違うこと分かってる?


六十部は鮫野木の耳元に口を近づけて囁く、突然のことに体がビックと反応した。



わ、分かってますよそのぐらい、それと、やるなら「やる」て言ってください





言ったわ





そうでしたっけ





本当、生意気ね


鮫野木と六十部が話し終わったとき、野沢は話し出した。



あの、あなた達はいったい何者なんですか? 僕の事、調べてるようですけど?





そういえば、自己紹介がまだだったな。俺は鮫野木淳。調べ事をしてたら、お前が重要な情報を知ってるかも思ってここに来たんだ





そうですか





次は私ね。私は六十部紗良、鮫野木くんと共に行動しているわ。よろしく





はい、よろしくお願いします


野沢は怯えた様子で答えた。



それじゃ怖いよ、六十部さん





私は小斗雪音、淳くんとは同じクラスで紗良ちゃんとはクラスは違って、好きな物はお姉ちゃんが入れたコーヒーと手作りのケーキだよ。それと……





小斗ちゃん話がそれてる





アハハ。ごめんごめん。よろしくね! 心ちゃん





はい。こちらこそ


野沢は小斗に心を開いているらしく、表情が軽い。



所で君は誰?





あ、私ですか、私は日泉桜(ヒイズミサクラ)です。心ちゃんとは……その





……





友達ですよ





心ちゃん良いの? 私、心ちゃんに悪いことしてた





もう良いです。別に怒ってませんし、助けようとしてくれましたしね





……ありがどう





例を言うのはこっちです


彼女達に何があったのか今は聞かないでおこう。彼女達にも何か問題があったのだろう、わざわざ聞くのは野暮だろう。



何かあったようだけど、俺はお前を助けないといけない、そろそろ聞かせてくれ





はい、噂のことですよね





ああ、何があったんだ?





何があったですか。今さらですけど話した後に助けるの止めないでくださいね





ああ、多少のことでは驚かないぜ





まぁ、あなたたちだから話すんですけど


野沢は大きく深呼吸をして語り出した。



アレは僕の父が送ってきた手紙から始まったんです


彼女は辛い気持ちを押し殺して、忘れたい忘れられない思い出を語る。
