夏の日差しが照り付ける中、僕らは大荷物を抱え山の中へと来ていた。
事情を知らぬものから見ればよくわからぬ光景だ。
しかし、僕たちにはちゃんとした目的があった。



ねーまだつかないのー?





もうちょいだと思うぜ。





もう疲れたー





千恵里は引きこもりすぎなんじゃないの?





うるさい!





おっ?
あれか?





みえてきたー!


夏の日差しが照り付ける中、僕らは大荷物を抱え山の中へと来ていた。
事情を知らぬものから見ればよくわからぬ光景だ。
しかし、僕たちにはちゃんとした目的があった。



いい眺めだね!





ん~!
空気がおいしい!





すごいわね……





まずはテントを張るぞー


僕らは山の中腹あたりを流れる川辺にテントを張った。
キャンプ用具に余裕があったため、一人一つずつ小さなテントを使うという少し贅沢な使い方をした。
まぁ、だからこそ、こんなに大荷物になってしまった面もあるのだけれど……



私、キャンプってしたことないから楽しみ!





こんなの退屈なだけよ……


そういいつつ千恵里は髪をくるくると回している。
これは彼女の気分が少なくとも落ち込んではいないしるしである。
そのことは皆がわかっている



よーし!!
楽しむぞー!!


こうして、僕たちのひと夏の思い出作りが始まった
