時田は居心地が悪そうに身をよじった。
右膝で貧乏揺すりを始める。



……さて。
久しぶりだな、時田真白





あー……久しぶりって言えばいいのかな、五日町警部


時田は居心地が悪そうに身をよじった。
右膝で貧乏揺すりを始める。



御託は不要。どうせまだ、任意の取り調べだ


五日町は組んでいた腕を解いた。
時田は、その動作にやや委縮したように縮みあがると、目をそらす。



だが、一つだけ聞かせろ





何、かな?





お前、“子供”なんだろう?



時田は唇を湿らすと、ずっと揺れていた膝に右手を置いた。
膝頭を強く抑え込むように、力を入れる。



……さすが、女帝(クイーン)


縮めていた身を広げ、背筋を伸ばす。
五日町には身長では及ばないものの、先ほどより一回りも大きくなったように見えた。



それを言われちゃ、黙ってられないな


時田は、背もたれにゆっくりと背をもたれかけさせた。



……そうだよ。
僕は“子供”。
少なくとも、そう自負してる





それだけ聞けば十分だ


五日町は立ち上がった。



それだけで良いのか?





……


五日町は、問いかける時田に応えないまま、隣にいた刑事に合図を残して出た。



ああ怖かった……


時田は、先ほどまでの余裕と笑顔を嘘のように消し、また身を少し縮めた。
